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三澤 廣氏の活動報告
(作家)

同調圧力(H30-6-15)

同調圧力             

 私がまだ紅顔の美少年だった頃、ベトナム戦争が進行していました。ある日、これは間違いなく毎日新聞でしたが、「ベトコン」という用語を解説してくれていました。
 「ベトコンは英語のVietnam Communistsではなく、中国語の『越共』の訛りであり、『越南(ベトナム)共産党』の略である。ベトコンは民族解放のための運動をしているのに、米国が共産主義者だと決めつけて、そう呼んでいるのである」ということでした。
 豈図らんや、南ベトナムは北ベトナムに吸収されて、悲惨な結末を迎えました。終戦の後、毎日新聞は、北ベトナムの参謀総長の手記を連載しましたが、参謀総長はベトコンが一から十まで北ベトナムに指導されていたことを臆面もなく告白していました。
 それまで毎日新聞が主張していたことが、根本から覆されたのです。ところが、毎日は恬として恥じる所がありません。そもそも、間違った報道をしたことを認めようとさえしなかったのです。
 「アメリカが侵略者。ベトコンは正義の戦いをしている。北ベトナムに至っては、何もしていないのに、アメリカが因縁をつけて『北爆』をしている」という、この戦争の定義はマスコミが決めたものでした。
 最近言われる、典型的な「同調圧力」です。この定義に反する発言をすると、たちまちに糾弾が降り、知識人は発言を封殺されたのです。
 ただ一人、福田恆存氏が、「反反米」論を唱えて、真実の追究をしましたが、マスコミの御用学者やオピニオンリーダーたちは、「保守反動」という常套句を使って、氏を誹謗するばかりでした。
 この同調圧力が今、「反原発」の運動を推進しています。
 原発に賛成する学者は発言の機会を奪われてしまいます。一昨年、某大学の某教授はNHKテレビからコメンテーターとして出演を依頼されていましたが、他の場所で原発賛成の発言をした所、出演を取り消された、と御本人が産經新聞に書いていました。
 福島原発の危険度のレベルを、菅内閣は当初、「レベル5」だと発表しましたが、後になって、チェルノブイリと同じ「レベル7」に修正しました。「レベル5」で済ませるのは、事態を重視していないからだとマスコミから叩かれて、及び腰になったのです。
 信頼できる情報によると、福島で洩れた放射能の量は、チェルノブイリの五十分の一だったと言います。チェルノブイリと福島がどうして同じはずがありましょう。
 考えてみれば、誰一人死んでいません。原発従業員に甲状腺異常が発生したという信憑性の低い噂は聞きましたが、少なくとも、一般人の間には、いささかの健康被害を生じた人もいないのです。
 「避難所で老人が疲れ切って死んでいるじゃないか。原発事故のせいだ」と反駁する人がいます。よくもよくもそんなことが言えたものです。そういうことを言う人たちが、老人を避難所という名の強制収容所に送り込んだのではありませんか。空気の新鮮な自宅でのんびりとしていれば、何の問題も生じなかったはずなのです。
 「福島の人を不幸にしたのは、朝日新聞だ」という言葉があるとのこと。なんとも含蓄の深いことです。
 しかも、微量の放射能が洩れたのは、地震のせいでさえありません。地震ではびくともしませんでした。津波をかぶったのが原因だったのです。そして、頭から津波をかぶったにしては、原発はよく持ちこたえました。私は、あの事故で、逆に原発の安全性が証明されたと思っていますが、それを口にすると同調圧力に押しつぶされるのです。
 ベトナム反戦から過去に遡れば、文化大革命礼賛があり安保闘争がありました。その後は慰安婦、北朝鮮の拉致、原発、戦前の話なら南京大虐殺。考えてみれば、進歩派の言ってきたことはことごとく間違いだったのです。
 去年の八月以来の朝日の「捏造でなく誤報」という弁明はもう通りません。
 私が不思議でならないのは、吉田証言(慰安婦)と吉田調書(原発)であれだけの嘘八百を並べた朝日新聞の過去の様々な記事を、どうして誰も、もっと徹底的に検証しようとしないのかということです。それができれば、マスコミの原発反対論の胡散臭さも、明確に暴き出されるでしょうに。
 小泉元首相も反原発です。その根拠は、「放射性廃棄物が溜まって地球が汚れる」ということだそうです。(太陽熱発電のシャープを忖度しているとの説もありますが) これについては櫻井よしこ氏が見事な検証をしています。放射性廃棄物の処理は、今でも危険性は少ないのですが、さらに今後処理技術が進んで、怖れる必要のないものになる、というのです。
 小泉氏は思いつきで言っているだけですが、櫻井氏は多数の学者の意見を聞いて、論理的な意見を述べているのです。それなのに、マスコミは、感情的感傷的に小泉氏の思い付きを拡大して、不必要な不安を煽っています。
 元首相の若様は防潮堤の建設に熱心だと聞きました。このごろは聞きませんから、気が変わったのかも知れませんが、これは日本の海岸線の景観を破壊する重大な犯罪です。日本の自然の美しさを守らないでよいものでしょうか。
 あと五十年もすれば技術が進み、防潮堤などなくても、人間が津波に呑みこまれるような事態はなくなるでしょう。千年に一度しか来ない津波のために、愚かなことをしてはいけません。
 その五十年のうちに津波が来る確率もゼロではない、と言う人が多いのに呆れます。そんな、「限りなくゼロに近い確率」を心配しなければいけないというのなら、車や飛行機の類は全部放棄しなければならなくなります。防潮堤推進派がほとんど全員、反原発派であるのも面白い特徴です。
 反原発は、ベトナム反戦と同じような愚かな運動です。
 同じ愚を何度も何度も繰り返すのはいい加減にして欲しいと思います。