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三澤 廣氏の活動報告
(作家)

  ショーンK (H30-6-19)

進次郎より爽やかなショーンK           

 ちょっと古い話題で恐縮です。二三年前に書いたので、そのつもりでお読み下さい。
 ショーンKの騒動は、佐村河内守、小保方晴子、佐野研二郎(他にもいましたね)という一連のネガティヴヒーローが輩出した後だっただけに、人によっては、面白さ百倍という人もいますが、もう食傷したという人も少なくありません。佐村小保方の騒動が始まったのは、ちょうど朝日の捏造が発覚した時期と重なっていますから、いかにもそれらしい末世の象徴というべきでした。2014年の「今年の漢字」は「捏」に決まっていると私は予測していましたが、外れてしまいました。
 ショーンKは高卒で純然たる日本人なのに、整形して外人顔になり、米国やフランスの有名大学で学んだと自称し、テレビ・ラジオのコメンテーターとして活躍していました。
 この人は経済関係の話が得意で、大学教授などと対等に話をし、誰もおかしいと思わなかったとのこと。ついには、キー局のキャスターとして採用されるところで、捏造が発覚したのです。
 日本では、学歴差別をしてはいけないと言われて久しく経ちます。私はリベラルな法律学者の書いたコラムで、「学歴詐称」と「整形隠匿」は離婚原因として認めるべきでないとの説を読んだことがあります。学歴とか容貌とかは、人格の本質にかかわらない些細なことだから、配偶者はその程度の虚偽は受忍すべきだというのです。
 私の知己のオタク学生は、さる美人アイドルに首ったけなのですが、「あの人が整形だったら、僕は自殺します」と言っていました。ところが、そのアイドルの整形疑惑がささやかれるようになりました。私は、絶対に整形していないという保証のある十七歳の橋本環奈を推奨して、「自殺する前にこっちに乗り換えなさい」と指導しています。
 こんな世の中です。ショーンKも少なくとも整形に関しては四の五の言われる義理はないでしょう。
 学歴もそうです。英語はペラペラです。英語の講義をしているのをインタネットで見ましたが、ふつうの教師よりよっぽど上手でした。経済学者とは対等に学問的な話をしています。それなりに経済学の知識を持っているように見えます。「背景になる体系的学問がない付け焼刃の知識なのだから、いずれ馬脚を露わしていただろう」と批判する人がいますが、本物の大学教授だって、体系的な学問など持っている人はほとんどいません。
 Fランクと言われる大学の入試問題、分かりやすいのは英語ですが、特に文法問題などを見ていると、「この問題を作った人は英語の理論が全く分かっていないのではないか」という疑惑を抱かずにはいられなくなることがあります。もっとも、このごろ、受験生の学力が甚だしく低下しているために、問題が易しくなりすぎて、出題者の無知無学が露呈することが少なくなったのは慶賀の至りです。かつては、大学の先生が、入試問題作成委員に任ぜられて、有名な予備校講師に手紙を出し、「お恥ずかしいことですが、作れません。かわりに作っていただけないでしょうか。お礼はいくらでも」と依頼したという実話がありました。
 こんないい加減な人たちが、大学・大学院を出ているという理由だけで学者として認められ、その一方で、ともかくもテレビでちゃんと話のできるショーンKがいかさま扱いされる不条理に私は首をかしげるのです。
 安保法制に関するアンケートでは、大半の憲法学者が「違憲」だと返事をしたということです。そりゃあそうでしょう。違憲と言わなければ学会での肩身が狭くなるし、テレビにも新聞にも登場することができなくなるからです。素人は、「良心的な先生たちが、学問的信念に従って考えたんだな」と感心してしまうのですが、こんなこと、「憲法九条の文言だけに照らして考えたら違憲」あるいは「文言にこだわらずに解釈すれば合憲」のどちらかしかないのです。九条の条文さえ知っていれば、中学生だってアンケートに答えることができます。差別的なことを申しますが、憲法学って、あらゆる学問の中で、一番知性を必要としないのではないでしょうか。
 原発問題で、テレビのコメンテーターとして呼ばれた学者が書いていましたが、収録前に、アナウンサーから「私がこう質問しますから、こう答えて下さいね」と言われたそうです。学者を呼んでおいて、テレビ局の決めたとおりに発言させるのです。局にとって必要なのは、「大学教授」という肩書だけだったのです。
 ショーンKはハーバード・ビジネス・スクールで、MBA(経営学修士)の学位を与えられたと言っており、もちろん詐称だと判明したのですが、MBAなどといういかがわしいものを詐称したからと言って、何ほどのことがありましょう。米国の歴代大統領の中で一番知性が低いと言われるブッシュ・ジュニアもこの学位を持っています。日本人でもアイビーリーグの大学を出たと自慢する人が少なくありませんが、政治家、実業家、芸能人の子弟だったら、まずはズルだと思って下さい。
 ついでながら、日本の大学も、AO入試(面接中心の無試験入試)でズルだらけになってしまいました。知人の私大助教授は、「面接は、女子の場合は、まあ、美人コンテストだね」と言っていました。小保方さんは、モル計算ができないほどに理科系科目が苦手だったのに(今でもできないらしい)、巨乳だったがゆえに、早稲田の理工学部に合格し、破滅への道を歩み始めたのです。
 世の中インチキだらけだと私はつねづね慨嘆しています。合法的なズルで経歴を飾り、自分の保身のためになる意見しか言わない。こんな学者たちの中で、敢えて違法なズルでキャリアを作り、イチかバチかの勝負に出たショーンKは、私にはむしろ爽やかな男に思えるのです。