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三澤 廣氏の活動報告
(作家)

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宝塚市の「障碍」  (H31-4-2)

かつて進歩的な人々は北朝鮮のことを「朝鮮民主主義人民共和国」と呼ばなければならないと主張していました。縮めるときも「共和国」と言えというのでした。報道機関も「北朝鮮」と呼んでは弾劾されるので、「北朝鮮・朝鮮民主主義人民共和国」と言っていました。もっとも、同じ報道や論説の中で、一回これを言えば、二回目からは「北朝鮮」でよいというのですから、笑わずにいられましょうか。
 この頃では、さすがに他人に強要できなくなりました。かの捏造新聞でさえ、ただ「北朝鮮」と呼びます。金正日が拉致を認めて以来そうなったようです。
 それにしても、私が若い頃からずっと不審に思っていることは、なぜ左翼が、かの国を「朝鮮」と呼ばないのかということす。「大韓民国」は縮めて「韓国」なのですから、「朝鮮民主主義人民共和国」を縮めて「朝鮮」と言ったところで、差別でもなければ、金王朝の皇帝陛下に対して不敬にも当たらないのではないでしょうか。
 保守派が「朝鮮」を避けるのは納得できます。国交もないことですし、あんな独裁国家を正統な国とは認めたくないという理由でしょう。この頃「保守派は韓国嫌い」というねじれ現象が起こっていますが、ともかくも韓国が正統な国家なのだから、「北朝鮮」は韓国の治外の民というつもりで「北」を付けるのでしょうか。
 でも、進歩派から見れば、むしろ北朝鮮の方が正統な国家なのですから、「朝鮮」と呼んで何の不思議もないはずなのに、「共和国」ならともかく、どうして「北朝鮮」と呼ぶのでしょうか。

 世の中の理解しにくい現象を「なぜだろう」と考えるのは非常に楽しいことですし、頭の体操にもなります。たとえば、進歩派が「『皇位の安定的継承』のために女系天皇を認めるべきだ」というのは、実は皇室の尊厳に傷を付けようという陰謀からであることは、心ある人なら気づいているはずです。「女系天皇は天皇制廃止への一里塚」とは、左翼の人の言った言葉です。
 またマスコミがなぜ去年の文春砲炸裂まで、野田聖子氏を支持していたかを推測することも、知性を鍛える材料になります。もっとも、これは簡単です。分からない方は私の今までの文章を読んで下さい。
 ただ、なんで朝日新聞がその野田氏を切って(まだ弁護はしていますが)しまったのかはちょっと難しい。ただ、これも行きがかり上、救いようがなかったという単純なことかも知れません。

 一方、なぜ進歩派が北朝鮮を「朝鮮」と呼ばないのかという問題は、考えれば考えるほど分からなくなります。
 いろいろと臆測をしてみました。
1.「支那」と同じように、戦前の日本で差別するために使われたから。
 (しかし、「支那」は中国人がいやがっているのですから、言わない方がいいとしても、「朝鮮」は朝鮮の人が自分たちで使っているのですから、この臆測は成り立たないはずです。「なんとなく差別的だから、糾弾されないようにこの言葉はやめておこう」というのが一番真相に近いでしょうか)
2.「韓国」と「朝鮮」を並列すると、北と南を分断することに加担することになるから。(これは、左翼の知人が言っていました)
3.「朝鮮」を使うなら、正しく「チョソン」と発音すべきであり、「チョウセン」という日本語読みはけしからんから。(もっとも「北朝鮮」は「キタチョウセン」と読んでいいのですからこの説は成り立たないでしょうか。でも、「チョウセン」と発音するのが憚られるから「共和国」と言うのかも知れません。)

 さて、北朝鮮の「朝鮮」と同じように、差別にかかわる用語で、もう一つ私が不思議に思っていたのが、「障害者」です。「害」の字が差別的だということで、「障がい者」と書くことが多いのです。これもなぜだろうと推理してみましょう。
 「障害(者)」は「朝鮮」とは違って、漢字自体に問題があるのですから分かりやすくはあるのですが、「障碍者」と書けばいいのに、どうしてそうしないのかということです。もちろん「碍」の字が常用漢字にないからでしょうが、差別をあれだけ糾弾する進歩派のことです。差別を避けるためなら、常用漢字に入っていない字を使ってもいいことになりそうです。どうしてそれを避けていたのでしょうか。
 進歩派は終戦以来一貫して、漢字は封建的だから制限すべきだと主張してきました。ワープロがパソコンに代わった昭和五十年代末に、朝日新聞に大学教授が寄稿して、「パソコンのおかげで、漢字がふえてゆくのではないかと憂慮される」と書いていたのを覚えています。漢字が使いやすくなったことを喜べばいいのに、「憂慮される」とは、噴飯物とはこのことです。漢字はふやしたくない。常用漢字以外の字を使うのは以ての外だというわけです。
 
 「障碍者」もそれです。「障害者」が差別的で、「障碍者」が使えないなら、「障がい者」しかないのでしょう。しかし、「障がい者」という混ぜ書きは読む人に異様な感じを与え、却って差別感を増すのではないでしょうか。
 進歩派は媚中だから漢字が好きだと思いきや、漢字制限を支持し、中には漢字撤廃論を唱える人もいます。さらに進むと、ローマ字論者になります。実は彼らは文化的にはアメリカが大好きなのです。だから、何でもアメリカの真似をしろと言って、教育制度までアメリカ方式を採用したがります。
 「日本は詰め込み教育だが、アメリカはのびのび教育だ」などと言います。実はアメリカは差別社会で、成績の悪い子供には「君はどうせ駄目だから、難しいことは勉強しなくていいんだよ」と宥めるのです。日本は平等教育だから、みんな同じことをしなければならなくなります。平等教育が受験戦争を生んだのです。
 「英会話」が大好きなのも反米進歩派の特徴です。「米会話」と言う人もいます。中国語やった方が日本人には役に立ちますよ。漢字の勉強にもなるから。女の子に米会話勉強させたら、末はアリゾナ州の山の中に埋められるのがオチです。
 アメリカの高校では、物理、微積、ラテン語・ギリシア語などは選択科目であり、できる子にしか教えないのです。それを知らずに(知らないふりかな)、只管アメリカの真似をして、のびのび教育、ゆとり教育を施しました。その結果、全国民が馬鹿になってしまったのです。
 進歩派は、一つには中国を馬鹿にしているから、漢字が嫌いなのです。ただ、中国政府が強面(こわもて)なので、面従腹背をしているのです。石平氏が望月衣塑子氏の「権力と戦う」という言葉に対して、「何のリスクもない所で権力と戦うと言っても」と嘲笑的な批判をしましたが、まことにその通りではありませんか。衣塑子氏、中国にいたら、体制ベッタリ派になっていたことは間違いありません。

 さて、「障碍者」に戻りますが、このたび兵庫県宝塚市が、「障碍(者)」という字を使うことに決めました。
 これを実行した宝塚市の女性市長が、福島瑞穂氏、辻元清美氏、保坂展人氏から支持される典型的な進歩派(リベラル[liberals who are trying to banish liberalism from Japan])なのです。相撲の土俵に女が上がれないのは差別だと叫んでいます。宝塚歌劇団に男も入れるように行政指導して下さい。甲子園に女が出場できないことには文句を付けないのですか。それにしても、高校野球が産經新聞主催だったら、リベラルは、女性差別だと言って大騒ぎをしているでしょう。
 その類の人が常用漢字にない字を使えと言っているのです。このねじれ現象、面白くて仕方がありません。
 当用漢字の時代には、当用漢字表外の漢字を使うと糾弾されました。防衛省になる前の市ヶ谷台には「駐とん地」という不格好な看板が見られました。美観よりも「伝統文化排斥」のイデオロギーに従うことが大事だったのです。
 当用漢字が常用漢字に代わって(平成22)から、漢字制限は一応の「目安」に過ぎないことになりました。しかし、政府や自治体がこれほどはっきり常用漢字外の漢字を公式の場で使うことになったのは初めてのことではないでしょうか。それを断行したのが、革新首長だったことに私は驚き、笑い、ホッとしました。
 「伝統文化排斥イデオロギーよりも差別撤廃を重視した」という点では、他の左翼の方々よりも筋を通していらっしゃいます。(ここだけは皮肉ではありません。いや、他の左翼の方々に皮肉を言ったのですが)
 この女性市長は「土井チルドレン」だったそうです。日本文化を徹底的に嫌った土井たか子さんの教え子が、古い漢字を復活させようというわけです。
 これをきっかけにして、国語の正統表記が復活すればと思っています。
 「『障碍者』は漢字制限撤廃への一里塚」です。私はいつか「障がい」が「障碍」に変わるだろうと予測はしていましたが、変えるのは保守派だろうと思っていました。豈図らんや、進歩派がそれをやって下さるとは嬉しさも一入(ひとしお)です。
 文部科学省が漢字制限や仮名遣いに関して頑なに進歩的態度を取っているのは、日教組に代表される反日勢力からの暴力的クレームを恐れているからです。しかし、今や反日派が漢字制限に抵抗する世の中になったのです。
 めでたし、めでたし。
 あるいは現代仮名遣いの見直しが始まるかも知れません。「ゐ」「ゑ」などという字も使えるようになったら嬉しいですね。(PCで「ゐ」「ゑ」の字を出すには、wi、weから漢字変換します)
 「ローレライ」「夏は来ぬ」などの文語の歌も音楽の教科書に復活させたいものです。
 進歩派が正統表記や文語を許容するようになれば、文部科学省もまともな政策を取ることができるようになるでしょう。
 宝塚市長を支持しましょう。私は政治より文化の方が大事だと思っています。媚中派が漢字を増やそうというのなら、媚中派を支持しましょう。正漢字と歴史的仮名遣いと文語を復活してくれるのなら、中華人民共和国日本自治区になってしまってもいいじゃありませんか。