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三澤 廣氏の活動報告
(作家)

  正義を返せ(R2-3-28)

 去年の五月に「譫妄(せんもう)事件」、七月に続編の「女性の尊厳」という文を本欄に寄稿した。
 この事件は別名「柳原病院事件」ともいう。平成二十八年(二〇一六)年五月、足立区の病院で、乳房の腫瘍切除手術を受けた直後の女性患者が意識朦朧となっているのに乗じて、医師が患者の胸を舐めたという事件である。
 事件の概要を知らない人は、上の二つの私の文を読んで欲しい。
 一般に、性犯罪が起こった場合、リベラルの人たちは、実態を知らないままに一方的に女性の味方をするのが常である。ところが、この事件だけは、リベラルが中心になって、男の味方をし、医師は冤罪だという運動を起こして、四万筆もの署名を集めたという。
 目撃者もおらず、四人部屋のカーテンで仕切られた区画の中で行われたので、まさしく「藪の中」という表現がぴったりする事件である。署名をした人がみんな、その判断ができるほどに情報を得ているとは到底思われない。署名した四万の人々を私は心の底から軽蔑する。
 こんな不明瞭な問題に、四万筆が集まったというのは、ウラがないはずがない。そのウラはこの病院が共産党関連の病院だったということだった。
 去年の三月に一審の判決が出て、「無罪」という結果になった。裁判長は相当に悩んだというが、結局は無実の確証はないままに、「疑わしきは罰せず」の原則に従って、無罪にしたとのこと。これは已むを得ないことかも知れない。
 それにしても、裁判長でさえ確証がないのに、どうして周囲の人が、あるいは何も知らないブロガーが、冤罪事件だと言って騒ぐのだろうか。
 「柳原病院事件」と打ち込んでインタネットを検索してみるがよい。論理も道理もわきまえない連中が、好き勝手な口から出まかせを言っているだけだ。
 曰く、「共産党系病院医師だから『逮捕・長期拘留』、で良いわけがない」。
 つまり、国家権力が共産党を弾圧するために仕組んだ冤罪事件だというのだ。中国の共産党政権とは違うのだ。今時、日本の国家権力が、そんな陰謀を企むことができるはずがあろうか。
 ついでながら、中国から来た反体制運動の闘士・石平氏が、望月衣塑子氏を評して、「何のリスクもない所で権力と戦うと言ったって」と批判しているが、本当の意味の権力と戦った石平氏ならではの含蓄のある言葉である。
 また曰く、「女性患者をより不幸にする控訴に反対する」。被害女性は、術後譫妄(手術直後に幻視を見る事)のために、なかったことをあったと思い込んだ可哀想な人だから、検察側が控訴すれば、本人が不幸になるばかりだ、というわけだ。
 このブログの主は、「医療ガバナンス学会」だが、声明発表は「東京保険医協会」。この協会はインタネットを見れば、はっきり共産党系の団体だということが分かる。
 只管、共産党系の病院を弁護するばかりなのに、「女性患者をより不幸にする控訴」とは、おためごかしの典型だ。
 リベラルはおためごかしの総本山というのが私の理解だが、天皇制打倒を目指している人の中に「女系天皇を認めないと天皇制が続かなくなる(から女系天皇を認めろ)」という人がいる。目的は、皇室の神秘性を奪って、天皇制廃止に結び付けようということだ。この偽善は「女性患者をより不幸にする控訴」と言うのと偽善のレベルが非常によく似ている。
 また曰く、「カーテンで仕切られただけの四人部屋でそんなことができるはずがない」。この人は人間性というものがまるで分かっていない。「はずがない」はずでもやろうと思ったらできるのだ。
 曰く、「医師は金があるのだから、女に不自由しているはずはない」。なんという非常識な弁護論。金持が性犯罪で逮捕されたら、全部冤罪だとこの人は言っているのだ。リベラルは金持の味方なのだ。
 ただ、前述の「医療ガバナンス学会」はいろんな意見を発表させる所らしく、同じブログで、「NPO法人しあわせなみだ 理事長 中野宏美(男性)」という方は、本当はやっているのではないかという疑念を投げかけている。
 特に、冤罪論を弄ぶ人々の論理の軽率さを鋭く指摘している。この学会自体が偏向しているわけではない。両方の意見を紹介しているだけに、朝日新聞のような「言論弾圧機関」とは違うらしい。
   https://ibiken.net/jouhou-hasshin/post-12740/
 さて、この事件、今年の二月から控訴審が始まった。
 ここに来て、「冤罪ではない」と被害女性を弁護する意見が聞かれるようになった。
 今紹介した中野氏もその一例だが、被害女性弁護論は、感情的な冤罪論と違って、事件の実態を厳密に吟味しているのが特徴だ。
 女性患者の乳首には医師の唾液が付いていたという。それをしも、弁護側は他の医師との会話中に飛んだものだと言い募る。
 また、専門家によると、術後譫妄という症状は確かに存在はしているが、これに陥って、幻視を見る可能性は非常に低いとのこと。
 女性を弁護する、ある専門家のブログでは、会話中に飛んだ唾液が乳首に命中し、かつ、女性が譫妄に陥ったという二つの奇蹟に近い確率の現象が同時に起ると考える方がおかしい、と言っている。
 冤罪ではないという意見については、すでに私の前の二つの寄稿で十分に述べたから、このくらいにしておくが、去年のインタネットの意見は、冤罪論ばかりだった。それが、二審の始りが近づいてから、どんどん女性弁護論がふえて来た。慰安婦報道の場合と同じで、時間が経てば冷静に考える人が出て来るのである。
 被害女性は「セカンドレイプは本当にきついです」と訴えている。
   (https://www.excite.co.jp/news/article/Jprime_14933/)
 被害女性ばかりでなく、女性を支持する人たちも、異口同音に、法廷での被告側弁護人が女性を冒涜するような言辞を弄して、恬として恥じる所がなかったと証言している。セカンドレイプを防げと常々主張しているリベラルが、シャワーのようにセカンドレイプを浴びせたのだ。
 被害者に対するこのいじめは、「拉致はない」と言っていた人たちに非常によく似ている。
  (http://www.seisaku-center.net/node/401)
 政治家・官僚・学者・言論人で「拉致はない」と言っていた人たちは、北朝鮮に近い人たちが多かった。それだけに、実は北朝鮮がやりそうなことだと直観的に悟っていたに違いない。それなのに、北朝鮮を弁護したのは、「拉致被害者が戻って来ることはありそうにないから、何を言っても、将来責任を追及されることはあるまい」と多寡を括ったのである。
 事後の弁明で、一番破廉恥なのは、「私は拉致はないと言ったことはない。拉致の証拠がないと言っただけだ」というセリフだ。知識人としての一片のプライドもないのだ。
 彼らは、「拉致被害者は永遠に北朝鮮に埋もれてくれればいい」と考えたのである。その残酷さこそがいわゆるリベラルのリベラルたる所以なのである。
 柳原病院事件もそれと同じだ。被告を弁護し、被害者を冒涜する人々の中で、事情に詳しい人々、特に医療関係者と共産党関係者は大半が、「本当にやったのかも知れない」と思っているに違いない。ところが、浮世の義理で保身のためにリベラル派の味方をしなければならないから、平気で嘘を言っているのである。
 この被害女性は、横田めぐみさんと同じ立場にある。めぐみさんのご両親は、日朝国交回復の邪魔をしているとして、平和の敵のように喧伝されたことがあった。
 拉致が発覚した後になってからは、めぐみさんは死んでいると言う人が多い。みんなリベラルで、これ以上の捜査を妨げるために、永遠に埋もれさせようとしているのだ。
 譫妄事件の場合は拉致問題よりもさらに被害者を貶めやすい理由がある。今度、仮に二審三審で被告が有罪と決まったとしても、「偏向判決だ。国家権力による弾圧だ」と主張すれば、いつまでも自分の非を認めないですむ。そこが、リベラルに有利に働いている。
 実は、私は、二十一世紀は正義が実現される時代になるかも知れないと期待している。
 平成十四年(二〇〇二)に金正日が拉致を認めた。このときから、社民党の将来はなくなった。平成二十六年(二〇一四)には、朝日新聞が慰安婦報道の捏造を捏造とは認めなかったが、誤報とは認めた。そして、朝日新聞は凋落の一途をたどり始めた。それとは話は違うが、この数年、スポーツ界を始めとする一連のいじめ事件がどんどん明るみに出た。このへんについては、本欄に私が、「暴力とスポーツと政界」というタイトルで寄稿した。
 だんだん正義が実現される世の中になって来たと私は感じている。
 ところが、そこへもってきて、この譫妄事件だ。極論を言えば、私は「リベラルの目的は正義を滅却することだ」と感じている。
 この事件を女性被害者の立場に立って見守っているのが、上谷(うえたに)さくらという名の女性弁護士だ。
 常々性犯罪の被害に遭った女性のために戦っている人だ。今おかしなことに、一般には女性の味方する人々が、この事件では掌を返して男の味方になってしまっている。その中で、断乎として弁護団を結成して、この女性のために戦っているのが上谷氏だ。
 女性が正義のために立ち上がっても、マスコミと違う意見を言うと潰されてしまうことが多い。少なくとも、マスコミの印象操作と戦っている我々は、もっとこの事件に注目し、上谷氏の正義の戦いを応援すべきではないだろうか。
 最近、インタネットで、「ジャンヌダルク」という映画を二本見た。宗教裁判を掌る司教が、自分の保身のために、ジャンヌを罪に落とさずにはおかないぞという卑劣な決意を固めて行く様子が、どちらの映画でもよく描かれていた。これは相当に史実に合致しているらしい。因みにその一本は終戦直後のハリウッド映画で、主演はイングリッド・バーグマンである。
 四面楚歌の中で戦うジャンヌダルクが、上谷氏のようでもあり、女性被害者のようでもあり、横田めぐみさんのようでもあった。
 リベラルの方々に訴えたい。「正義を返せ」と。
 因みにこの事件とは何の関連もないが、取り返しのつかないまでに正義が蹂躙されてしまった例として、インタネットで次のURLを検索してみて欲しい。
https://ameblo.jp/wish-success/entry-12337621129.html