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三澤 廣氏の活動報告
(作家)

  おためごかし(R2-8-24)

 昭和五十八年(一九八三)から五十九年(一九八四)まで放映された「NHK連続テレビ小説」の「おしん」の一場面をなんとなく思い出しました。
 奉公先のおばあさんがおしんを寵愛して、読み書きを教えて特別扱いします。女中頭が嫉妬して、やめさせようとします。
 女中頭は、「私はなにもおしんが憎くて言っているんじゃないんです。(奉公人の一人だけを特別扱いするのは)おしんのためにならないと思うからです」と言いました。
 学齢に達しても学校へは行かせてもらえない子供に、せっかくのチャンスが訪れたのに、それを潰してしまおうという悪意の塊のようなセリフでした。

 私は「おためごかし」という言葉を聞くと、この「おしん」の場面を思い出すのです。相手のためを思う、という口実で、実は呪いをかけているのです。
 そして、現代日本はこの種の「おためごかし」に満ち溢れているように思うのです。
 おためごかしの典型が女系天皇を容認しようとする立憲民主党です。党として、公式に、「安定的継承のために女系天皇を」と言いました。田嶋陽子さんも「天皇制が続かなくなるといけないから、女系天皇を認めよう」と言いました。したがって、党としてのこの声明も、そういう意味なのでしょう。
 しかし、立憲民主党が「天皇制が続かなくなるといけない」などと思っているはずがありません。ことある度に皇室にケチをつけ、潰してしまおうと画策しているのです。特に田嶋さんは、はっきりと「天皇制の存在は民主主義に合致しない」という趣旨のことを言ったことがあります。
 これまた典型的な「おためごかし」です。

 天皇制を潰そうと思っている人たちが「天皇制が続かなくなるといけない」から、女系天皇を容認しようなどとは、小学生レベルの言語論理・数的論理を知っている人なら、誰でもおかしいと思うはずです。
 こういう人たちは「論理的誠実さ」を持っていないのです。
 櫻井よしこさんは、「女系天皇になったら、国民は天皇を尊敬しなくなるだろう」とおっしゃっています。立憲民主党やその同調者は、「天皇制を守ろう」という口実で、女系天皇を支持し、いざ女系になったら、「もう伝統的な存在じゃないんだから、こんなものなくてもいいじゃないか」と言い出すつもりなのです。
 どうして、こんなことを言われて、「そう言われればそうだ」と思ってしまう人が多いのでしょう。
 リベラルの方々に訴えたいのですが、「男女同権だから女系天皇を認めよう」と言うのならまだしも、「天皇制を守るために女系天皇を」というのは、余りにも卑劣な「おためごかし」ですよ。

 2020年6月に、横田早紀江さん一家が記者会見を行い、「拉致などなかった」と言っていたマスコミやリベラルを批判し、さらに北朝鮮が「憎くてたまらない」と発言しました。これに対する、立憲民主党参議院議員・有田芳生さんのコメントがアッと驚くようなものでした。
 「横田滋さんが『絶対に言ってはいけない』と基本にしていたことを息子さんが破りました。被害者家族の政治的発言は北朝鮮を挑発するだけです。これで日朝交渉は重ねて動きません。残念です」と言ったのです。
 「重ねて動きません」の「重ねて」がどういう意味なのだか、私には分からないのですが、たぶん有田さんにも分からないのでしょう。

 有田氏はもともと北朝鮮寄りだということで知られています。金正恩を北朝鮮の言い方に追従して「最高尊厳」と呼んでいます。こんな人が拉致被害者に寄り添うような発言を繰り返して、結局は北朝鮮を喜ばせるような結果を導き出そうとしているのです。「おためごかし」と言わずして何と言いましょう。

 あまり話題になっていないようですが、「柳原病院事件(せん妄事件)」というのを御存知でしょうか。平成二十六年(二〇一四)に都内の病院の医師が意識朦朧としている女性患者に猥褻行為を働いて、逮捕・起訴されたのですが、共産党関係の病院だったので、リベラルが冤罪事件として大騒ぎをしています。

 一審では無罪判決が出たのですが、二審で逆転有罪になりました。
 一審判決の後、リベラル関係者が出した声明が、「女性患者をより不幸にしないために、検察側は控訴を思いとどまるべきだ」。
 加害者を強引に無罪にしたいために荒唐無稽な理窟を弄んでいるのに、言うに事欠いて「(被害者を)より不幸にしないために」と言ったのです。
 これもまた、典型的な「おためごかし」です。

 私は二審判決の後、「これでやっと正義が勝った」と思いました。弁護団の方々に言っておきますが、最高裁へ行っても無罪になる可能性はありませんよ。「加害者(男性医師と呼ぶべきかな)をより不幸にしないために」上告は思いとどまって下さい。棄却されるに決まっているから、結局釈放されるのが遅くなります。

 それにしても、「人権派」という存在自体がそもそも「おためごかし」なんですよね。
 いつもは媚中一辺倒のリベラルが、香港の「国家安全法」には反対する趣旨の声明を出しています。どういう背景があるのでしょう。私のようなひねくれた観察をするようになると、ウラのウラが見えて来ます。

 チベットや新疆や内蒙古であれだけの虐殺を繰り返している中国に対して、リベラルは今まで何も言いませんでした。見て見ぬ振りをしたのです。
 ところが、香港の場合は、中国では一番開かれた都市ですから、西欧のジャーナリズムが綿密な報道をします。見て見ぬ振りをしていると、人権派としてのダブルスタンダードが明白になってしまいます。何か言わなければならないから泣く泣く北京を批判するのです。

 ある種の媚中団体の場合は、北京政府に対して「一応言うだけですからね。本気じゃないから怒らないでね」と弁明をしているとも聞きます。
 抗議自体が「おためごかし」なのです。
 立憲民主党も北京に抗議しましたが、及び腰であることが見て取れます。抗議したというアリバイを作っているだけです。

 そこへ行くと共産党は、中国から離れて独自路線を歩んでいますから、中国を批判することができるのです。
 小泉今日子さんは自民党を批判しながらも、中国へも批判の声を挙げて、「どちらにも偏らない人だ」と褒められていますが、語るに落ちるとはこのこと。共産党の指令に従っているだけです。
 小泉さんを共産党だと言ったら、さる女性から「どうしてそういうふうに決めつけるのですか」と叱られました。そういうこと、よく勉強してから言って下さいね。小泉さんは「赤旗」の一面に写真の出る人なんですよ。
 「きめつける」って、リベラルの好きな言葉の一つです。
 小泉さんや吉永さんを共産党と言っていけないのなら、百田さんや小川榮太郎さんを自民党だ、安倍寄りだと言ってはいけないことになります。

 それにしても、香港の弾圧は、チベットや新疆や内蒙古に比べればずっと穏やかな段階です。なんでチベットの時は黙っていたのに、香港では声を挙げるのでしょうか。「同調圧力」に屈したのです。言い換えれば、「おためごかし」です。

 むしろ、一貫して中国の忠臣である二階俊博さんの方がよほど節操があります。日中友好を築き上げて来た「先人たちの努力」をどんなことがあっても無に帰してはいけないというのです。
 でも、これもこれで「おためごかし」ですね。「(拉致された)たった十人のことで、日朝正常化交渉がとまっていいのか」と言った、外務省槙田アジア局長の類です。

 私の知人が、「人権派が人権を屁とも思っていないのは、清純派女優が清純でないのと同じだ」と言いました。まことに穿った言葉だと思いませんか。
 
 「リベラル」という言葉も似ていますね。liberalって、「自由」のことでしょ。どうして、中国や北朝鮮のような国を作ろうという人たちがリベラルなのですか。
 しかも、最近は「百田一橋事件」(インタネット参照)に始まるリベラルからの言論弾圧がひどくなっています。これは世界的な傾向であるようで、米国では民主党が中国べったりでありながら、トランプをロシアと癒着していると攻撃しています。
 MeToo運動も民主党の戦略の一環であることを忘れてはなりません。物言えば唇寒しの世界ができあがりつつあります。
 「言論の自由を守ろう」と主張する人々が、実は言論を弾圧しているのです。これが「おためごかし」でなくて何でしょう。

 このリベラルからの弾圧に対抗して、free speechの運動が起こっています。free speechはかつては左翼・リベラルの標語だったのに、今では保守派が多用しています。

 インタネットに、「リベラルが言論を弾圧する」と打ち込んで検索してみて下さい。出て来る、出て来る。自由を撲滅するのがリベラルの目標だということがよく分かります。

 
 今、日本のキリスト教会は、北朝鮮政府ばかりでなく、香港の自由を抹殺しようとする中国政府に対しても従順な仔羊になってしまいました。。
 香港の人々は自由を求める魂の叫びを挙げているのです。
 キリスト教会のこの冷酷な「見ざる・聞かざる・言わざる」を「沈黙の夏」と言わずして、何と言いましょう。