本田正信先生 寄稿   
      旭川大学名誉教授

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H23-3-25
占領政策と日本の戦後教育
-国と子供の未来を開くため急ぎ占領遺制からの脱却と教育の再生を-
【目次】

はじめに

一、現在の教育荒廃と道義頽廃の根源は六十数年前のGHQの日本弱体化政策にある
 @ 太平洋戦争史を捏造し修身、国史、地理の授業の中止を強制
A 教育勅語の排除の強制
B 教育基本法制定の強要

二、憂うべき道義の頽廃、犯罪の頻発と人間の衰退劣化

三、戦後の道徳教育の廃止と復活の歩み
ー道徳教育と戦争を結びつける愚かさーl

四、教育勅語の真髄の復活を
―アメリカは自国の学校教育に日本の教育勅語の真髄をとり入れているー

五、国旗掲揚と順法精神の涵養
―真の教育の改革再生こそが強い経済をつくるー



はじめに

「国家百年の計は教育にあり」と言われます。戦後六十数年、今こそこの言葉のもつ意味を真剣に考えるべきときです。 国家意識が揺らぎ道義が廃れている時だからいっそうです。教育の再生発展が国家発展の基礎になるというこの言葉の意義はいくら強調しても強調しすぎるということはありません。国の平和と国民の幸せも究極的には教育の力にまつことはいうまでもありません。
その教育がゆらいでいます。教育の荒廃がすすんでいます。日本人の質の低下がいわれています。その原因はどこにあるのか。どう改革すればよいのか。これらを考え改革を実践することが急ぎの課題と思われます。


一、現在の教育荒廃と道義頽廃の根源は六十数年前のGHQの日本弱体化政策にある

周知のように六十数年前のGHQ(以下、占領軍と呼称する)の日本占領目的は日本国を弱体化し日本の民族精神を骨抜きにし、日本人を衰退させることにありました。その源流は大東亜戦争の開戦を主導したアメリカのルーズベルト大統領の人種差別観と対日観にあります。私は大東亜戦争におけるアメリアの勝利を見越して、戦後に実施する予定の「アジア人種の品種改良計画」なる計画を立てていました。
それは「アジア人種は劣等であるからヨーロッパ人とアジア人を交配させて人種改良をする。ただ日本入は除外し四つの島に閉じ込めて衰えさせる」という驚樗すべきものでした。占領軍は六十数年前、ルーズベルトのこの日本人を表退させるという発想を基本に日本弱体化日本人衰退化のための占領政策を教育政策として次々実施していきました。

@ 太平洋戦争史を捏造し修身、国史、地理の授業の中止を強制
占領軍による日本弱体化の教育政策の第一段は、太平洋戦争史という名の日本の近代史を捏造して、それを学校教育の教材として使うよう強制してきたことでした。昭和二十年八月十五日の終戦から間がない同年十二月のことです。と同時に学校教育でそれまであった修身、国史、地理の授業を中止するよう命令してきました。
この修身はあとで詳述する教育勅語を中心に教える教科です。この教育勅語は人の道の根本を説いたもので人倫の常径ともいうべきものです。旧西ドイツのアデナウアー元首相は日本の教育勅語を座右の銘としドイツの学校教育の指針とするよう関係官庁を指導していたといいます。このような普遍性のある教育勅語を基本として教える修身という教科を占領軍は軍国主義を鼓舞するものとして、そして日本の衰退と弱体化に沿わないものとして廃止を強制してきた。
国史は建国以来の日本の正しい歴史を教える教科でしたが、占領軍は国史は日本の侵略戦争を正当化し、それを賛美する精神的基礎をつくった教科だとして廃止を強制てきた(占領軍最高司令官であったマツカサーは「太東亜戦争は日本の侵略戦争だ」とする占領政策の基本的発想を自らくつがえして「大東亜戦争は日本にとって自衛の戦争だった」とアメリカ議会で証言している)。
地理の授業の中止も強要してきましたが、これには次ぎのような事情がありました。つまり世界の地理を正しく教えると、アメリカ、ロシア、イギリス、フランス、オランダ等々の白人国家こそがアジア、アフリカ、中近東の有色人種の国家や領域をいかに広く侵略し植民地にしてきたか、あまりにもはっきりする。日本を侵略国家、植民帝園に仕立て上げることで自分達白人国家の数百年にわたる、こうした侵略と植民地支配の「悪業」を覆い隠そうと考えていた占領軍にとっては、いままでの「地理」はいかにもまずい。こうして地理も中止を強制された。

A 教育勅語の排除の強制
第二段は教育勅語の排除の強制です。教育勅語の真髄を基礎にして教える修身の廃止強制に引き続き、占領軍は教育勅語そのものの廃止を強要してきた。いうまでもなく日本国の弱体化と日本人の道義の低下をねらったものです。当時の政府はその強要にも唯々諾々と従い、昭和二十三年六月十九日国会は教育勅語の失効決議を行いました。そもそも教育勅語は人として守るべき道を説いた道義の最高水準をいくもので世界的に評価の高いものです。教育勅語については改めて第四章で論じます。

B 教育基本法制定の強要
第三段は教育基本法制定の強要です。この教育基本法は占領期間中、占領軍の圧力でつくらされたものであることはいうまでもありません。日本国を弱体化しようという占領政策に沿った内容でした。国家と国民との関係をきめた規定はなく、国を愛する心、公共への奉仕の精神などを排除した無国籍の法といってもいいものでした。
同じ敗戦国のドイツは占領軍による教育制度などの改革要求をきっぱり拒否してドイツの伝統的教育制度を守りまし た。しかし日本は以上のように占領軍の改革要求を唯々諾々と受け入れ、その要求圧力で制定させられた教育基本怯などは六十年以上守ってきました。同じ敗戦国でありながら、彼我の違いに脅かされます。
もちろん日本でもこの間、若干の改正はありました。平成19年、安倍内閣のとき「}国を愛する態度を養う」というあいまいな表現ではありますが愛国心教育の条項が設けられ、「文化と伝統を尊重する教育」を重視するという規定などとともに、国家や民族に配慮した規定が新たに設けられはしましたが・・・・。   
しかし日本もドイツがそうしたように、自国の伝統的教育を守り、回復すべきときです。つまりそれは後述するように、普遍性を備えた「教育勅語」の真髄を復活させることです。そしてそれを基礎に学校教育、家庭教育において道徳教育をしっかりやっていくことです。真の平和国家、道義国家として日本を再生していく道はここにあると思います。経済再生と永続的発展の道もここにあるに違いありません。

二、憂うべき道義の頽廃、犯罪の頻発と人間の衰退劣化
前述のように六十数年前、アメリカ軍を主力とする占領軍の圧力で修身、地理、国史という教科は廃止させられ、教育勅語は排除させられ、無国籍の教育基本法が制定させられました。それから六十年以上経って現在の教育と社会の現状はどうなっているでしょうか。結論的にいうと、日本国を弱体化し国会意識を喪失させ日本人を衰えさせ劣化させるといった占領軍の日本占領目的は、恐ろしく残念ながら見事に達成されているといってもいいのではないか。
六十数年前、先述のように大東亜戦争終了後の日本占領の際は「日本人を衰えさせる」ことを占領の方針として描いていたルーズベルト元アメリカ大統領の意図は、ほぼ実を結んでいるというのが現状でしょう。
現在、例えば凶悪犯罪が横行しています。いとも簡単に人の命を奪う。子が親を殺す。親が子を殺す、ただ殺すだけではなく子供に食べ物を与えないで衰弱死させる。これほど残忍非道な犯罪があろうか。こうした犯罪が増えているのは道義の頽廃が著しく人間の質の低下と衰退が極めて深刻であることを表しています。日本の衰退化をねらった占領軍の思う壺の状態が続いています。この意味でも戦後レジュームからの脱却、つまりは占領遺制からの脱却は急を要します。ことに学校教育と家庭教育において、その脱却は急がねばなりません。

三、戦後の道徳教育の廃止と復活の歩み
―道徳教育と戦争を結びつける愚かさー
道徳教育のない学校教育はそもそもあり得ない話です。犯罪の横行、道義の乱れ、人間の劣化がいわれている現状ではこのことは、いくら強調しても強調しすぎることはありません。
ところが先述のように戦後は占領軍の圧力で明治天皇発 布の教育勅語が排除され、それをもとに学校で教えていた修身教育は廃止されました。そのため終戦からは道徳教育が不在の状態が続きました。
占領期が終り道義の乱れがすすむにつれ、当然のことながら道徳教育の必要性が叫ばれるようになりました。昭和三十一年、戦後はじめて「道徳」というものが小学校・中学校の教育課程に組み入れられたのです。こうして始まった道徳教育は種々の経過を経て昭和五十二年に学習指導要領が改訂され、週一回の道徳の時間が特設されるようになりました。
ところが実際は教職員組合を中心に「道徳教育」そのものに反対する風潮が根強く、特設授業を忌避する学校が続出しました。時間割に「道徳教育」の名称をつけない学校もありました。大多数といってもいいでしょう。このような道徳教育を軽視する傾向は現在も続いています。
なぜ道徳教育に反対し忌避するのか。なぜ道徳教育を軽視するのか。教職員組合の人達によると、道徳教育(戦前の学校教育でいえば教育勅語を中心にした修身教育)は国会意識を高め、軍国主義を助長し侵略戦争につながるからだという。
この発想はまさしく六十数年前の占領軍による騙しの占領政策の成果(マイナスの)そのものです。つまり占領軍は自分達の国が何百年にわたってやってきた、アジア・アフリカへの侵略戦争の悪業を覆い隠すためにか日本こそがそうした侵略戦争の悪業をやってきたようにすり替えて日本人の頭に注入しました。
占領期間中に占領軍が日本人に注入した騙しの日本悪玉論は東京裁判が日本を侵略国として断罪したことで更に広がり国民に浸透していったことはいうまでもありません。こうして日本侵略戦争論が広がってきましたから教職員組合が道徳教育と侵略戦争を結びつけて道徳教育に反対してきたのはわからないわけではありません。
しかし、仮に大東亜戦争が日本にとって侵略戦争であったにしても、道徳教育に反対する理由にはならないと思われます。例えば、先述のように他国への侵略戦争をやったドイツでさえ戦後ずつど道徳教育を実施してきています。六十数年前に日本と同じように敗戦国ドイツもアメリカ、イギリスなどに占領されたが、その占領軍の教育改革要求をきっぱり拒否した上で・・・・・。
 まして自存自衛のために戦った日本。アジア、アフリカの解放にも寄与した日本。道義国家の誉れ高かった日本。日本が道徳教育を実施するのはあまりにも当然ではないか。本来、道徳教育は文字どうり人格をみがき道徳心を涵養する教育ですから直接戦争に結びつくわけではありません。この意味でも原点に返って道徳教育を推進すべきであります。
右の「日本は自存自衛のために戦った」ということについて少々敷桁して述べておきます。それはかつての敵の最高司令官であり、戦後、日本占領軍最高司令官になったマッカーサーのアメリカ大統領への報告と議会証言についてです。 マッカーサーは昭和二十五年十月十五日、ハワイのウエーキ島でトルーマン大統領と会談したとき、「東京裁判は誤まりであった」つまりこの裁判で日本を侵略国として断罪し、日本の指導者を侵略戦争遂行の罪で処罰したのは間違いであったと報告し、引き続き昭和二十六年五月三日アメリカ上院軍事外交合同委員会で「太平洋戦争(日本側からいうと大東亜戦争)は日本にとって自国の安全保障のための戦争、つまりは自衛の戦争であった」と証言しました。 世界地図を開いてみて西欧の近代史を少し振り返ってみると、日本自衛戦争論は当然だということが誰にでもわかります。白人国家イギリス、フランス、オランダ、アメリカなどが数百年にわたってアジア、アフリカの有色人種の国々を侵略して植民地支配をしてきたこと、その結果、昭和十六年十二月八日の大東亜戦争勃発直前には世界中の有色人種の国々の中で白人国家に侵略され、その植民地支配を受けていない国はほぼ日本のみであったこと、日本を侵略して植民地化すると彼等白人国の世界支配はほぼ完成する状況にあったこと等々からみて大東亜戦争は、有色人種の国日本が白人国のアメリカ、イギリスなどを侵略するために起きた侵略戦争などではなく、全くアベコベにアメリカ、イギリスなどの侵略と植民地支配から日本国を守るための自衛戦争だったことがわかるからです。これはマッカーサーl証言をまつまでもありません。そして大東亜戦争の結果、アジア、アフリカの大部分が白人国家の植民地支配から解放されたこともわかります。
重ねていいます。大東亜戦争はどの歴史的観点からみても日本の自衛戦争です。そして日本はその自衛戦争を通じてアジア・アフリカ諸国の独立運動を助長して数百年におよぶ白人国によるアジア・アフリカ諸国民の搾取、奴隷売買、奴隷貿易などをやめさせ、人種平等の世界を実現させたのです。道徳教育が侵略戦争につながるという発想はそもそも日本人には成り立ちません。したがって道徳教育を純粋に精神や心の問題として捉え、軍国主義、侵略主義と関係を断つべきです。
そのための一つとして中学校の社会科、高校の日本史や世界史、政治経済、倫理社会の教科書の中で日本は侵略国家だった」「太平洋戦争は日本の侵略戦争だった」という趣旨の記述は早急に改めるべきです。これが今、国と子供を救うため、そして日本人としての誇りを取り戻すため急を要する教育課題といっていいでしょう。
四 教育勅語の真髄の復活を
ーアメリカは自国の学校教育に日本の教育勅語の真髄をとり入れているー

先述のように明治天皇発布の教育勅語は人として守るべき道を説いたもので、道義の最高水準をいくものとして世界的に評価の高いものです。教育勅語の真髄は十五の徳目にあります。「父母ニ孝ニ、兄弟ニ友ニ、夫婦相和シ、朋友相信ジ、恭倹己レヲ持シ、博愛衆ニ及ボシ、学ヲ修メ、業ヲ習イ、知能ヲ啓発シ、徳器ヲ成就シ、進ンデ公益ヲ広メ、世務ヲ関キ、常ニ国憲ヲ重ジ、国法ニ遵イ、一旦緩急アレパ義勇公ニ奉ジ」。 これを口語文に直すと「子は親に孝養をつくし、兄弟姉妹は助け合い、夫婦仲良く助け合い、友人とは信じ合い、人々 には主体性をもって慎み深く振る舞い、すべての人に愛の手をさしのべ、一心に勉強し、仕事を習い、知識技揮を養い、 道徳を身につけ、人格をみがき、進んで社会公共の利益に貢献し、人の世の務めを果たし、国憲を重んじ、法を守り、非常事態の場合は勇気を持って平和と安全に奉仕する」。
これらは国家生活において人聞が守るべき道義・道徳の根本を普く説いていることは誰が読んでもわかるものです。先述のように昭和二十三年、占領軍の圧力で教育勅語は排除失効させられましたが、このとさの占領軍の主力はアメリカ軍です。そのアメリカ軍の母国アメリカでは日本に失効させたはずの教育勅語を自国の学校教育や家庭教育にとり入れています。
アメリカでは麻薬の蔓延、青少年犯罪の激増、性道徳の乱れ、そして子供の学力の低下がすすみ、教育改革の必要性と道徳教育の質の向上が叫ばれています。そんな中でレーガン大統領のときの教育省長官W・ベネットが「道徳読本」という本を著しました。そして道徳教育の改革にのりだしたのです。
この本の内容には驚くなかれ明治天皇発布の日本の教育勅語の徳目と同じ徳目が10種挙げられています。そして日本の戦中、戦前の修身の教科書と同じように、それぞれの徳目に多数の例話が付記され、その本が父母の子供に対する家庭教育(しつけ)の指針とされ、学校での道徳教育の指導書にもなっています。これは道徳教育の内容についても方法についても戦前の日本の「教育勅語をもとにした修身教育」と同じです。
先述のように日本も現在、青少年犯罪が激増し性道徳は異常なまでに乱れています。家庭教育や学校での道徳教育の質の向上が求められているのはアメリカだけではありません。教育勅語の本家本元である日本こそ教育勅語の真髄を学校での道徳教育や家庭教育にとり入れることが急ぎの課題ではありませんか。

五 国旗掲揚と順法精神の涵養
―真の教育の改革再生こそが強い経済をつくるー
六十数年前、日本はアメリカに戦争を仕掛けられ、四年間に及ぶ戦闘の後敗戦となり、戦後はアメリカ軍を主力とする占領軍に占領統治されたことは繰り返し述べた通りです。この占領軍の統治目的はこれまた繰り返し述べたように、いかに日本国を弱体化するか日本人を衰えさせるかにありました。そうした中で占領軍の指示によってつくられたのが日本教職員組合(日教組)です。
国を弱体化し国民を衰えさせるには、その国の真実の歴史を消し、国防力を弱め、国旗掲揚はやめさ、道徳教育は廃止し、順法精神の涵養や愛国心教育はやらせないようにすることです。六十数年前、占領軍が実施してきた占領政策の方向と眼目はこれでした。占領軍の指示でつくられた日教組はその意図はどうであれ、基本的には六十数年前に占領軍が実施した、こうした日本弱体化政策日本人衰退化政策に沿った活動をやってきましたし、程度の違いはあれ現在もやっているとみてもいいでしょう。
道徳教育については占領政策との関連でかなり詳しく説いたので、ここでは国旗掲揚国歌斉唱と順法精神の涵養という二つのことにかかわってこの問題をとりあげてみよう。
@国旗掲揚と国歌斉唱
いうまでもなく六十数年前、日本を占領した占領軍は学校や公共の場所での国旗掲揚・国歌斉唱を全面禁止しました。国旗は軍国主義や侵略主義の象徴であるという理由で、また国歌はそれらを賛美するという理由で・・・・:。数百年にわたりアジア・アフリカを侵略し日本にも侵略戦争を仕掛けたアメリカ、イギリスなどは自国では学校や公の行事で国旗揚揚を義務づけていました。そうでありながら日本との戦争に勝利したら国旗は侵略戦争の象徴だとして、日本人にはその掲揚を禁止する。この欺繭矛盾をいかんとするか。
それはさておき、占領軍による国旗掲揚などの禁止は昭和二十七年四月二十八日にサンフランシスコ講和条約が発効して占領体制が終わるとともに当然のこととして解除されました。したがって解除とともに学校その他での国旗掲揚、国歌斉唱は全面復活するやに思われました。ところが実際は全面復活どころか事実上禁止が解除されていないのと同じ状態が長く続きました。学校教育の場では特にそうでした。
 世界中で学校の行事などで国旗を掲揚しない国は恐らく一つもないでしよう。このような占領の後遺症とでもいうべき状態が長く続くというのは異常なことです。驚くべきことと言っていいでしょう。学校の現場でこのような占領遺制を継続しようといちばん強く国旗国歌に反対していたのは教職員組合のグループでした。
 平成十年、国旗・国歌法が制定され、学習指導要領で卒業式や入学式には国旗を掲揚し国歌を歌うよう指導することが義務づけられました。そうした中でも国旗掲揚国歌斉唱に対する教職員組合の反対が根強く、上のような状態が続いています。周知のように数十年来、現在も学校現場で児童生徒への国旗国歌の指導をめぐって、トラブルがおき、入学式や卒業式の季節になると決まってこの問題が新開やテレビを賑わします。国歌斉唱の時に起立しなかった教職員が処分されたというニュースが繰り返し出たりしています。
世界の常識に反して日本の学校の教員がなぜ自国の国旗国歌に反対し、あるいは軽視するのか。それは一方では日本を国家として弱体化し腑抜け日本人をつくるという占領軍の日本占領政策を未だにひきづっているからであり、日本は侵略戦争を遂行した悪い国で日本の歴史伝統もよくないものという自虐史観(東京裁判史観)に毒されているからです。他方では日本国そのものを革命的に変革しようという左翼思想が蔓延してきたからです。革命のためには日本の国旗などは不要であり、邪魔だからです。
教職員組合を中心とするグループが国旗掲揚、国歌斉唱に反対するのは以上のような事情からでしょう。いずれにしても東京裁判史観の虚偽から日本人と子供の未来を守らなければなりません。そして国の弱体化と亡国から日本国と日本人を守らねばなりません。国と子供の未来と幸せのため、このような方向での教育の再生こそ緊急の課題です。

A 順法精神
日本国を弱体化し日本人を衰退させるには順法精神を育む教育もやらせないようにすることです。戦前、日本人の順法精神の高さは世界的に有名でした。日本が難局に臨んで他国との条約や協定(国際法)を遵守して行動した例は枚挙にいとまがありません。これに対して欧米諸国が日本と違って国際法を破る行為を行った例はこれまた枚挙にいとまがありません。一、二例をあげておきます。
 一つは広島と長崎への原爆投下です。これは国際法違反であることは明々白々です。つまり国際法たる陸戦法規(へー グ条約に基づく陸戦の法規慣例に関する規則)二十三条の「不必要な苦痛を与えるべき兵器、投射物その他の物質を使用してはならない」という規定に完全に違反します。
二つは戦後のことですが日本を占領した占領軍は新聞、ラジオ、書籍、雑誌、教科書、映画などあらゆる情報ソースを 占領軍の統制下におき徹底した検閲を実施しました。日本人の言論出版の自由などを根こそぎ奪ったのです。焚書も実施され約一万冊の歴史、哲学、宗教、経済、政治、文学の書籍が占領軍によって没収されました。これらは極めて 悪辣な国際法違反行為です。つまり国際法たるポツダム宣言の第十項後半の「日本国民の言論宗教及び思想の自由並びに 基本的人権の尊重は確立せらるべし」との規定に著しく反する違法行為です。
こうした自らの違法行為を日本人に覆い隠すために、そして日本を弱体化するために戦後は占領軍は日本人の順法精神とそれを育む教育の骨抜きを計りました。こうした状況の中で先述のように占領軍の指示によってつくられたのが日本教職員組合(日教祖)です。
現在、日教組主導の違法事件が全国あちこちの学校現場でおきています。例えば選挙運動に関連して教職員組合による公職選挙法や政治資金規正法違反の事件が頻発しました。また何年来続いてきたものの中に、ヤミ専従や勤務時間中の組合活動があります。これは教育公務員特例法や地方公務員法に定められている職務専念義務に反する違法行為です。教育公務員特例法違反の政治的行為も多く見うけられます。
順法精神を児童生徒に教えなければならない立場にある学校の先生が児童生徒の目の前で、平然と順法精神を踏みにじる違法行為をやっているわけです。前述した国旗掲揚・国歌斉唱の問題も違法行為にかかわる問題です。
先述のように国旗国歌法が制定され、学習指導要領で国旗を掲揚し国歌を歌うよう児童生徒に指導することが教員に義務づけられました。学習指導要領は法的拘束力をもっていますから、それに義務づけられた指導をしないということは違法になります。現在、依然として国旗掲揚や国歌斉唱に反対し、その指導を妨害する教職員は後を絶ちません。これも児童生徒の面前での公然たる違法行為です。
学校現場で、こうした教員による違法行為が続くなかではどうして子供に順法の精神を育むことができようか。まず一方では違法行為をやった教員には、その違法性に応じた厳しい行政処分や刑事処分をすばやて果敢に実施すべきです。他方では子供に対しては日本人は歴史的にいかにコンブライアンス(法令順守)の精神の高い国民であったか具体的事例を通じて教え続けることです。
こうして小さいときから法治国家の意義の一つを体得させるとともに、日本人として誇りをもち自ら法を守り活用する人に育でなければなりません。道徳教育の強化と愛国心教育の推進とともに順法精神を培う教育をしっかりやることで犯罪を撲滅し人間の衰退劣化を防いでいかなければなりません。そして、こうした方向での教育の改革再生こそが強い経済をつくる基いでもあることに、われわれは気がつかなければならないと思います。