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黒岩 徹氏の活動報告
(NPO法人日本パラオ協会 会長)

日本は単一民族国家である――中山国交相への応援歌

日本は単一民族国家である――中山国交相への応援歌
 
  平成二十年九月二十七日           NPO法人日本パラオ協会
                          理事長 

 本日の新聞報道によれば中山成彬国土交通相が「日本は単一民族である」と発言したことに対し、共産党等が罷免要求をしている。そして一般にも、これは中山大臣が間違っているかの如く受けとめる人達が多いようである。しかしこれは一般のほうが間違っており、中山大臣の言うことは正しい。共産党は例によりわが民族の解体を目指す政党であるから論外であるが、一般の誤解は解いておかなくてはならない。

この「日本は単一民族か」と言う問題については本年三月二十日産経新聞、石原慎太郎東京都知事の月一連載「日本よ」で、「日本の国民が単一民族からなっているなどというのは基本的に間違った歴史認識で、我々の民族的ルーツは東西南北あちこちにある。」との発言をされ、更には外国人の移民を積極的に受け入れるべきであると主張していた。
 更に三月二十五日には国家基本問題研究所の講演会で、代表の櫻井よし子氏が概ね次のように述べていた(録音要約)。
「大陸や朝鮮半島、海等色々な方面から来た人が日本列島に行き着き、そこで止まって日本人になった。よって日本は世界で最も多様性に満ちた民族であり、多民族の行き着いた先である日本民族に対して大和民族であるとか我々の血は純粋であるとかは間違いである。」
更にまた起訴休職外務事務官佐藤優氏は、月間日本(七、八月号)で、アイヌ民族先住民決議に関連して「日本は多民族国家である」と断言している。
以上のとおり保守と看做され発言力があると目される人達でさえ「日本は多民族国家である」という認識に何の疑問も持たずに発言されており、しかも現在までこれに対する明確な反論が為されていないこともあって、一般の人達には「日本は元々多民族国家ならば移民受け入れでよいではないか」との錯覚を与えかねない状況になっている。そしてこの論議は次は容易に、「先進多民族国家の欧米に倣い移民を容認すべきである」に変容してしまう。これは由々しき問題であり、そこで筆者は、「民族」とは何かとの語義からも実態からも、日本は「多民族国家」ではなく、むしろ「単一民族国家」という方が妥当であることを示すこととする。

 初めに「民族」の定義であるが、複数の辞典を要約すると「人種・言語・歴史・文化・宗教等の要素を共通にする一団の人々」と解される。したがって「単一民族国家」とはある一定期間に右の要素を共有する人々だけで成立している国家であり、「多民族国家」とは要素を共有する集団を同一時期に複数抱えている国家ということになる。具体的には米・露・支那等の大陸国家は全てそうである。
さて石原氏も櫻井氏も「日本の国民は単一民族ではない」と言われるが、これは「単一民族」という言葉の解釈により議論を要する。多分両氏とも「単一民族」とはアイヌとか、アメリカインディアン等のイメージを持たれておられるのでないかと推測される。したがって一般の人が「日本は単一民族」と言ったことに対して、両氏が「日本列島には元来から日本人という古来からの単一人種民族だけが住んでいたのではない」ことを言いたいのであれば、これ自体は別に間違いではない。
しかし中山大臣や一般に「日本は単一民族」と考える人達は、石原・櫻井両氏のような意味で言っているのではないと思う。何故ならば両氏が幼少教育を受けた頃はいざ知らず、筆者のような戦後世代は昔から教科書で、日本人は方々から渡来した人達の混血であると習っている。従って石原氏が「我々の民俗的ルーツは東西南北あちこちにある。」と言い、櫻井氏が「大陸や朝鮮半島、海等色々な方面から来た人が日本列島に行き着き、そこで止まって日本人になった。」と言うのは全くその通りであり、現在では殆どの日本人もそのとおり思っている筈である。では両氏のどこが違うのか、それは各所から来た渡来人たちのその後の「混血」の量と時間の捉え方によると考えられ、筆者から観ればお二人にはこの点の考証が欠けていると思われる。

さて現在の我々は、周辺から渡来した諸民族の少なくとも一万年以上の長い時間による混血の末に完成した日本人であり、既に他国とは違うDNAを持った民族であることも自覚しているのではないだろうか。特に地上で国境を接し互いに頻繁に攻防を繰り返して来た世界の殆どの陸続き国家と違い、日本は海という天然の壕のお陰で多年に亘り他国から侵略されたこともない。また石原氏の言われる限られた国民の間の混血は、徳川時代に限らずそれ以前からであり、海外からの渡来も歴史上一般には少数且つ散発的であり、その後は短期間に日本に同化してしまい、日本人全体の遺伝子が急激に根本的に変わってしまうことはなかった。そしてこのような結果、現に例を挙げればABO血液型や男子のみに継承されるY染色体の型の保有比率は、世界各国と日本では明らかに違いがあり、これら遺伝子の日本型組み合わせが個人の性格もその集団である国家の性格もある程度規定していることは紛れのない事実である。
これを見ればこの日本列島の中では、古来同一時期に複数の渡来した民族文化集団が長期間にわたり分居していたようなことはない、つまり日本が「多民族国家」であったことは一度としてなかった。それらの渡来人は比較的平和な島国の中での交流により、元から居た既に混血同化が完了している日本民族に混血同化して、ほんの僅か進化した新しい日本民族の仲間となった、ということが繰り返されて来たのである。
 櫻井氏は「日本は世界で最も多様性に満ちた民族である」とも述べた。文意が曖昧であり、多様性に満ちた民族とは「多民族国家」を想起させるが、血も文化も共有している民族を「多様性に満ちた民族」とは言わないほうが誤解を招かず宜しいかと思う。
櫻井氏はまた「大和民族」を否定しておられる。しかし上述のとおり、世界から隔離された日本列島において、日本独自の血と文化が極めて少しずつ進化し築き上げられて現在の「日本民族」が出来上がったことは疑いなく、長い時間を経ての混血同化が完了している現在の日本において、これを以って「進化した単一純粋民族」と捉えることは可能であり、更にはこれを「大和民族」と称することも決して間違いではない。むしろこれ程長期間に混血後のDNAが安定し、言語も文化も共有している民族を「単一民族」と呼ばないなら、世界には単一民族国家など一つもないと言ってよいであろう。筆者はわが国のアイデンテティ確立の為にも、他国が真似の出来ない二千年の連続した歴史を踏まえた「大和民族」の名称を誇りを持って子孫に伝えていくことこそが、現在の「単一民族日本人」の使命ではないかと思う。
以上により、石原氏・櫻井氏が筆者と異なる点が明らかになった。両氏も筆者も、おそらく日本人の殆んども、日本民族のルーツは海外東西南北にあるとの認識までは同じである。しかしその後で両氏が「日本は単一民族ではない、多民族国家である」かのごとく勘違いした原因は、単純に言えば「単一民族」と「多民族国家」の言葉の定義を曖昧にしたまま論じたことに尽きると思っている。中山大臣の方がむしろ言葉の定義を解って言ったのだと筆者は考える。そして一般には以上が解れば一件落着でよい筈であった。
さてしかしながら本文冒頭に述べたとおり、日本民族を「単一民族」と捉えるか「多民族国家」とするかは、既に政治問題になってしまった。石原氏・櫻井氏お二人の意識はどうであれ、日本民族が事実に反する「多民族国家」であると認めることは、次は容易に大量移民受け入れ容認に繋がっていくのである。そしてさらに危険なことに、石原都知事は一方でこれに附合し、「日本=単一民族」を否定した上で、大量移民受け入れを奨励しているのである。これはとんでもないことであるが、取り敢えずは本文は中山国交相への応援歌として、石原氏への批判は別の機会にする。

最後にアイヌのことについて補足する。内外地理研究会代表、茨城県の高校教師小菅清氏は、「今日の日本にアイヌ民族は一人も居ません。」「居るのは自称アイヌ民族(正しくは旧アイヌ系の日本民族)だけです。」と指摘している。アイヌは既に多くが日本人に混血同化していることは調べればわかることであり、これと差別云々は別である。アイヌ問題が国会に取り上げられ、左翼系の運動目的になった現在、筆者も基本的に小菅氏の見解が正しいと考える。

                                    以上