■首相の靖國参拝に思う
  
 ご承知の通り、本日17日、小泉首相が靖國神社を参拝した。この日の
靖國参拝は秋季例大祭に合わせたものであり、既に首相は事前に決断
していたのであろう。

 大阪高裁での傍論での違憲判断など、確かに反日勢力や中韓国などか
らの自粛圧力の中で、正式参拝ではなく、献花と記帳がなく、拝殿正面から
の賽銭箱に賽銭を投じて、一礼、黙祷、一礼の自由参拝形式をとったことは
一国の代表として相応しい形態ではなかったが、首相就任以来、参拝をし続
けたことは大きな意味を持とう。参拝の持続が、中韓国が利用しようとしている
靖國カードの効用を無化していくことにつながるからだ。幸い、参拝直後は中
韓国からはいつもお決まりの非難が繰り返されたり、北京の日本大使館では
在留邦人に対して注意を呼びかけているが、今のところ、目だった動きは出て
いない。

 今回の首相の靖國参拝を強く支持するとともに、来年こそ8月15日に参拝を
実現して頂きたいと願うばかりだ。

 ただ、首相には国に殉じられた英霊の御霊の前では、正々堂々とモーニング
姿で献花、記帳をし、昇殿参拝をしてほしかったと思っている国民がほとんどで
あろう。英霊はどのような思いで首相の姿を天界からじっと見通られるだろうか。
「よくぞ様々な圧力がかかっているにもかかわらず、今年も参拝して下さった」と
思っておられるか、「せめて昇殿に昇られ、国民の代表として振舞ってほしかっ
た」と思っておられるのか、わからないが、この参拝形式が「私的参拝」の形式と
なってしまうことは困る。

 多くの国民は、首相の靖國参拝を支持し、応援したいと思いつつ、このような
英霊に失礼に当たる参拝には違和感を持っていると思う。小生にはここにも我
が国がまだまだ正常に国にはなっていないことを痛感するのだ。

 しかし、教科書、石油ガス田、国連安保理の問題など中韓国との関係は年々、
摩擦が大きくなることはあれ、小さくなることはない中にあって、目に見えないが
国家主権を守る行為と中韓国に対して強いメッセージを送ったことは前進だと思う。


 別の意味で気かがりなのが、前原民主党である。その弁が「大阪高裁で違憲
判決が出た中で、政教分離の観点から慎重に対応してほしかった」である。これ
では先ごろの総選挙で大敗した岡田民主党と同様に政権交代を望む党には脱皮
できないのではないか。ため息が出る思いだ。