■大阪狭山市教育委が郷土愛を沸き立たせる道徳教材を作成
  
   産経紙10/18の大阪版によると、大阪狭山市教育委では子供たちに
郷土を愛し、誇りを持たせようと、教育委独自の道徳教材集「豊かな心
を育てるために」(3部作)が完成し、現在、市内10の小・中学校の道徳
の時間で活用されているという記事が掲載されていた。

 従来、大阪狭山市の公教育も組合支配に牛耳られていることを聞いて
いたが、市教委の道徳教育の構築を目指す意気込みは注目に値する。

 記事によれば小、中学校の先生方がプロジェクトチームをつくり、3年間
かけた労作ということで、子供たちが親しみを持って学べるように地域の自
然や人物、出来事などの地域に根ざした題材をピックアップするとともに、
教材を作った先生自身がその教材を使った授業を公開し、子供たちの反応
から更に検討し、3年間で延べ35の教材を作り出したという。
 そして、その3部構成の内容は@命を大切にする心を育むA郷土を愛する
心を育むB自他を見つめる、とのことであるが、これはすでに学習指導要領の
道徳に則った、真っ当な視点である。

 小生は是非、この道徳教材集を手に入れたいと考えているが、先生方の中
にもこのように郷土を愛する心を育てるために、手間隙をかけて教材をつくる
力量と情熱のある先生方がおられることに、ある種の安堵感を持った。また
このような教材を作成する方針を持ち合わせている市教育委の姿勢は支持
したい。

 しかし、このようか感慨を持たざるを得ないほど、今の教育の実態に対する
不安がつきまとっていることも事実である。

 問題は、素晴らしい内容の教材が完成したとしても、それを使用する道徳の時
間が年間標準数に沿って行われているのかという疑問もある。憶測することは不
可能であるが、今もって文科省が作成した道徳教材である「心のノート」も半数
以上が使用されていない小・中学校で、この教材を本当に十分に活用できる学校
の環境づくりはできているだろうか。是非とも市教育に問い合せてみたい。

 それでも教材集の具体的内容として、狭山池の築造に貢献した行基、現在、
ホタルを守る運動(狭山市や泉南は確かにホタルで有名である)やボランティア
活動を行っている市民らも紹介され、何か子供たちが目をキラキラさせて学べ
そうな内容である。

 教育委の偏向的な姿勢が毎日のように問題視される中にあって、一服の清涼剤
となる話題ではある。