平成17年5月20日

神奈川県 知  事 松沢成文 殿

神奈川県 県民部長 山本正人 殿

写・内閣官房長官 細田博之 殿

  文部科学大臣 中山成彬 殿
   横浜市長   中田 宏 殿

                     

                            横浜の教育を考える会 代表 湯澤甲雄 

                            横浜市南区大岡3-41-10045-713-7222

   「国際条約四法」からみた人権教育(愛国心の尊重)再構築について



 「人権擁護施策推進法」「人権教育及び人権啓発の推進に関する法律」の目的に規定された人権の内容は、社会的身分、門地、人種、信条、性別による不当な差別となっておりまして、これらの人権を擁護するための法律であるとしています。

 「男女共同参画社会基本法」による尊重されるべき男女の人権は、性別による差別的取り扱いと能力を発揮する機会でありまして、これらの人権を擁護するための法律としています。以上に掲げた人権関係の三法律を、以下「人権三法」と言います。

 「世界人権宣言」では、人類社会のすべての構成員の固有の尊厳と平等で譲ることのできない権利と国家が承認し、国法の支配によってその人権を保護するとしています。その人権は、憲法又は法律によって与えられるとされています。

 ところで、「世界人権宣言」に続きわが国が締結している人権関係の条約である「経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約」「市民的及び政治的権利に関する国際規約」「児童の権利に関する条約」(以下「国際条約四法」という)に規定された人権の範疇には、「人民の自決権」という国家、国民的視点に立つ人権や人権の中でもより根源的なアイデンティティも含まれていて、「人権三法」で規定する範囲をはるかに超えて且深いものがあります。つまり「人権三法」の規定だけにとらわれた人権行政を行った場合に、「国際条約四法」に規定する人権と衝突を起こして均衡を失い、逆に人権侵害を起こす恐れがあります。

「国際条約四法」を精査して、人権行政を基礎から再構築する必要があると思います。



 この視点から、以下思いつくままに記してみたいと思い

 ます。

1.外国人の政治的権利

 在日外国人の地方公共団体への参政権付与の問題が再三

 執拗に浮上して参ります。

 これは世界人権宣言21条1項「すべての人は、直接に又 

 は自由に選出された代表者を通じて、自国の政治に参与

 する権利を有する」とある通り、外国人に参政権を付与

 することは自国民の人権を蹂躙したことになります。

2.外国人の公職に就く権利川崎市や横浜市小学校国際教育 

 に、これを認めているようであります。

 世界人権宣言21条2項「すべて人は、自国においてひとしく公務につく権利を有する」とあり、行政の一存では外国人を採用できません。

3.教育に関する権利

 子どもの人権尊重の建前から、子ども中心の教育が行われています。

 しかし、憲法26条、教基法11条により、法の定めるところにより行われるとある通り、初等中等教育は、強制的に行うことが子どもの人権を尊重した教育であるといえます。

4.人民の自決権

 「経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約」「市民的及び政治的権利に関する国際規約」の夫々の第一条に「すべて人民は、自決の権利を有する。この権利に基づき、すべての人民は、その政治的地位を自由に決定し並びにその経済的、社会的及び文化的発展を自由に追及する」とあります。

  これをわが国情に当て嵌めれば、多神教の習俗、習慣と、それから醸し出される郷土愛、国家愛、正義を重んじる、勇気がある、礼節を尽くす、約束事を守る、嘘をつかない、実証的に考える、金で都合よく動かないという国民的伝統文化、教養は、歴史的に自由に追求して得た世界に誇りうるわが国民のアイデンティティという基本的人権であり、自決権の賜物であります。わが国の政府は、「児童の権利に関する条約第8条」によって、このようなナショナル・アイデンティティを尊重する法例を制定し、保護する義務を国際社会に約束しています。しかるにわが国政府当局は、国民のこの権利を保護する法を制定していないばかりか、この権利が何であるか具体的に定めた法は、「国旗及び国歌に関する法律」以外の何ものも定めることをしていないのであります。

5.日本国民の人権尊重

 わが国は、儒教朱子学国家である韓国と全体主義国家である中国に囲まれている、近代民主主義国家であります。韓国は牢固とした宗教的信心に発する階級意識があり、中国は近隣国蔑視・隷属の伝統的意識があり、満々とした自己中心的差別をむき出しにして、わが国は常に下位の序列を強いられるという、国際的前近代文化の圧制下にあります。

 韓国・中国に対し前近代的要素を取り払う要求即ち革命の要求をして、対等な外交関係に持っていくと言うことは、所詮無理難題であります。そうであればわが国としては、小泉首相がナショナル・アイデンティティである靖国神社参拝問題等で対決している状態が、韓国、中国と最も対等な関係を維持している状態となりまして、日本国民の人権を尊重している政治姿勢となります。

(国連に対する世界第二位の貢献国日本が、国連の中でそれなりの地位を占めることは当然であり、中国、韓国がそれに賛同しないことは日本国民に対する理不尽な差別であります。中国は、オリンピック開催問題が足枷になって、反日運動、安保理加盟、靖国参拝、ガス田開発、尖閣諸島に関し、常識外れのことができない立場に立たされています。)

6.県教委、人権同和教育課を解消して、県民部に集約すること。

 初等中等教育は、法の定めるところにより行われるものとして、教科書或いは学習指導要領に沿って行われることになっています。従って人権同和教育も教科書や学習指導要領の中で教育されるものでありますから、「人権三法」だけをとらえて教育する「課」をわざわざ設置する必要はないでしょう。生涯学習関係で必要であるとしても、県民部と連携した「係」を教委内に置く程度にしたら良いかと思います。

 近い将来に「国際条約四法」に沿った国民の愛国心尊重も人権保護の重要な行政となり、県民部の主要な業務に組み込まれていくものと思いますが、従来の組織を脱皮する構想の検討が始められることを期待いたします。>以