要  望  書



平成17年5月16日
神奈川県教育委員会
教育長 引地 孝一 殿
横浜の教育を考える会 代表 湯澤甲雄
横浜市南区大岡3-41-10045-713-7222

 拝啓 新緑の候、時下ますますご清祥の段、お喜び申し上げます。このたびは新しいお役目誠にご苦労様でございます。
初めてのお手紙でありますので、簡単に自己紹介させていただきます。
私は現在74歳、無職、現役時代は東京銀行におりまして、戦後世界最貧国にまで落ちた日本の経済復興、貿易振興の一翼を担って、ニューヨーク5年、シンガポール4年、ソウル2年滞在して、現地国民生活に溶け込んで生活して参りました。敗戦国の国民として、如何様にも蔑まれ惨めな思いをさせられてもやむを得ない状況下であったにもかかわらず、諸外国人の日本人と接する態度は、畏敬の念そのものでありました。それは日本人の精神力の高さをたたえたものでありまして、明治以来日本軍人を含めて多くの諸先輩が諸外国に残した精神史の偉大さを、しみじみと肌で感じたのであります。諸先輩が後輩に残してくれたこのような遺産があったればこそ、私たちは堂々と外国人と渡り合うことができまして、世界第二位の経済大国を築きあげることができたのであると信じています。靖国神社は、その象徴的な存在として、毎年慰霊と感謝の念を込めて参拝しています。
 日本人の精神とは、伝統的多神教の習俗、習慣から醸し出される、郷土愛、国家愛、正義を重んじる、勇気がある、礼節を尽くす、約束事を守る、嘘をつかない、実証的に考える、金で都合よく動かないことであると、私なりに理解しています。私はこのような国民を育成する学校教育が行われることを望んでいます。昨今言われている「平和」「優しい」「ゆとり」と言うものは、上記の教育の結果として、自ずから人格に備わるものであるものと思います。

 さて私が本信で申し述べたいことは、甚だ失礼かもしれませんが、貴殿がお仕事を進めるに当たりまして、断固として法令順守されまして、そのことが中立性が堅持された教育行政であり、正常な教育行政であるとの確たる信念をもっていただきたいと言うことです。
 教職員組合は、過去何十年も法令に真っ向から反対する「民主的学校づくり」の運動方針を掲げて、主任制度形骸化闘争を続け、教育のベテランとされ柱とされている校長に付属する学校管理運営権をミニマイズし、校長に代わって教育行政に介在してきました。このために県内の小中学校は校長不在の「人民管理学校」に変質し、学校予算執行権が組合の手に移り、憲法や教育基本法の効力の及ばない第三国の学校が現出してしまいました。これが青少年犯罪件数七年連続全国一の原因と考えます。過去の教育長が、教職員組合を教育行政破壊集団と認識せずに、教員の職能集団と誤認したことから、教育行政の悪循環のはじまりがあったのです。
 もっと悪いことは、教職員組合と癒着した行政官に教育長が囲まれて、裸の王様になってしまったことが、違法な教育行政の主役が教育庁に転化してしまったことであります。
 先ずは「学校管理運営規則」を、厳密に法の定める通り改正し、「主任」を校長の監督の下に確実に置き、「主任手当」の支給を開始することを望みます。

 学校教育の向上を目指して、今後とも上記の如き法に準拠した意見を率直に申し上げる所存でございますので、その節はよろしくご検討賜りますようお願い申し上げます。敬具