平成17年3月定例議会代表質問
平成17年3月8日

おはようございます。清志会を代表いたしまして平成17年度施政方針および予算案等に関して質問いたします。
 中央と地方の綱引きの中で「三位一体の改革」が一段と進む極めて厳しい財政状況の中で、平成17年度の予算を編成された藤田市長以下、執行部の皆さん、職員の方々に深甚なる敬意を表します。大変ご苦労様でございました。

 昨年の施政方針と同じように、まず、市長は「時代の認識」を簡潔明瞭に述べておられます。「時代」は「歴史」という縦軸の中にあります。「歴史」と関係なしに今という「時代」が存在するわけではありません。施政方針の中では述べておられませんが、当然藤田市長におかれては、「自虐的」ではない、良識ある正しい「歴史認識」を持っておられると確信いたします。

 昨年の代表質問において壇上で、一昨年(平成15年)が黒船来訪150年、昨年(平成16年)が日露戦争宣戦布告から100年という歴史的事実を述べさせていただきました。そして今年(平成17年)は「大東亜戦争」敗戦から60年になります。日本国の主権のない占領された状況の中で制定された「日本国憲法」、そして国民を育てる基となる「教育基本法」が全くそのまま、手付かずです。

 4月28日という日はどういう日なのか?
昭和26年9月8日にサンフランシスコ講和条約が締結されました。11月19日国会承認、内閣批准。翌、昭和27年4月28日に講和条約が発効しました。すなわち、この日、日本国の主権が回復したのです。占領されているという「戦争状態」である時に制定された「憲法」、「教育基本法」がなぜ、主権を回復したときに、見直され、改定されなかったのか。見直しもせず、ほっといて誰がメリットを受けたのか。摩訶不思議だとしか言えません。

 実態と全くマッチングしていない「不磨の大典」日本国憲法の前文、誠に不思議な、そして恐ろしい文章です。中ほどに「・・・平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。」という文章があります。「安全」と「生存」という言葉の基である英語の表現は「security」と「existence」です。「existence」とは「存在」そのものを意味します。この文章は「日本国の存在をよその国に任せましょう」としか私には理解できません。これが、国の主権が主張できる独立国家の「憲法」といえるのでしょうか。

 戦後の歴史を振り返って、冷静に判断すれば、実態と全く合わない「日本国憲法」、文化・伝統を全く無視した「教育基本法」、この二つをを早急に改正することこそ、「敗戦後の後遺症・シンドローム」からの脱却であり、「救国の道」だと思います。

 このような歴史を踏まえた時代認識のもとに、市長の市政運営の基本的な考え方、取り組み方について、また具体的な項目について与えられた時間、通告に従ってお尋ねさせていただきます。

1.まず最初に平成17年度の予算編成についてお尋ねいたします。

(1)「三位一体改革」による宇部市財政への影響ですが、予算の概要によりますと、国庫補助負担金で約2億2千万の減、地方交付税で約2億6千万の減、税源委譲で約3億3千万の増、あわせて約1億4千万の減と見込んでおられます。具体的な説明をお願いいたします。

(2)厳しい状況の中で、分権型社会を担って行かなければならない宇部市として、予算編成に当たり、何に最も重点を置かれたのか、苦慮されたのかお尋ねします。

(3)高福祉を求めるならば、当然高負担となります。誰がどう負担するのか。
医療を含め、広く福祉を考える時、基本は「自助・共助・公助」だと思います。少子高齢社会の中で、これまでのような安易な考え方では、福祉そのものが成り立っていかないのではないかと思います。
これからは、宇部市は地方自治体として財政基盤を確立し、自己決定・自己責任を取っていかざるをえません。福祉予算について基本的な考え方をお尋ねいたします。

2.次に地域産業の創造・育成についてお尋ねいたします。

地域間競争に打ち勝ち、持続的に発展していくための戦略的プロジェクトの第一に「地域産業の創造・育成」を掲げておられます。私もこれまで「宇部市は産業の街である」と申してきました。街の歴史を振り返れば、歴然としています。このことを忘れた街づくりは不可能です。

(1)新規産業の創出と雇用の拡大について、具体的な案件があればご教示願います。宇部発の国際競争力のある医療機器産業の創出云々と述べておられますが、詳しく説明していただけるでしょうか。

(2)宇部が「陸の孤島」から脱却できたのは交通体系の整備・拡充です。この点に関しては藤田市長の功績は極めて大きく、高く評価いたします。
具体的に言いますと、柳ヶ瀬丸河内線、宇部新川駅沖の山線等をはじめ、市民生活の利便性の向上につながる各種インフラ整備に、精力的に取り組まれ、市長着任以来の業績は、誰が見ても高い評価を与えられるべきものと、敬意を表します。

そこで、経済活動の発展および、広域高次都市機能の充実への寄与が期待される次の3点についてお伺いいたします。

ア.「地域高規格道路宇部湾岸線」の進捗状況と供用開始はいつなのか、お聞きします。

イ.「重要港湾宇部港」の整備状況について具体的な説明をお願いいたします。

ウ.「山口宇部空港」について。これだけ街の中央部近くあり、就航率高い地方空港は他には無いのではないでしょうか。コンピティター北九州空港が近く開港します。東京便のほかに新しい運航路線は考えられませんか。

3.次に行財政改革についてお尋ねします。

(1)施政方針で「多様な民間活力の導入を視野に入れながら、期間延長した第二次行財政構造改革推進計画に沿って、行財政改革に取り組む」と述べておられます。
これまで何回となく行財政改革について一般質問で取り上げてきました。昨年の代表質問でも行財政改革への取り組み方として民間人による「行財政改革委員会」を設置する考えはないのかとお聞きしました。「今後は、民間の皆さんを入れた委員会も設置する必要があると認識している」と答弁しておられます。

「多様な民間活力の導入」とは具体的には何を考えておられるのか、お伺いいたします。

(2)公営企業の事業運営についてお伺いいたします。
平成14年12月の一般質問で公営企業の基本的な経営理念、計画についてお聞きし、しかるべき答弁をいただきました。
施政方針では「今後、水道・ガス事業の一元化について検討してまいりたい」と述べておられます。事業の一元化もさることながら、3事業がなぜ公営企業なのか。「民間でできることは民間で」という基本的な考え方で、構造改革がなされようとしている中で、民営化ということついてどう考えておられますか、お伺いいたします。

4.次に教育問題についてお伺いいたします。

(1)前回の中学校教科書選定・採択に際して、平成11年9月、12年3月、12月、採択後の平成13年12月と4回、議会でこの問題について質問いたしました。今年は中学校教科書の選定・採択の年です。
あらためてお伺いいたします。どのようなかたち、手順で教科書が選定・採択されるのでしょうか。解りやすくお答えいただきたい。
採択の最終的な責任者は何方でしょうか。4年前にも結局これが私にははっきりしませんでした。

(2)「ゆとり教育」について
「ゆとり教育」については、まともな教育なのかと、ずっと疑問を呈してきました。国際的な調査結果から、わが国の子供たちの学力低下が明らかになったことを文部科学省が明確に認め、教育改革に取り組んでいます。やはり「ゆとり教育」は間違いだったのです。誰の責任なのか?地方自治体の教育委員会、学校は振り回され、子供達が被害者でした。この責任は誰が取るのか?
 義務教育の第一線である地方自治体、宇部市教育委員会の立場からこの問題についてどうお考えでしょうか。正直なお気持ち、感じるところをお聞かせ願えれば、と思います。

(3)「ジェンダーフリー」教育が行われているのか?という質問については
5番目の質問、男女共同参画への取り組みについて、「宇部市はジェンダーフリーだらけ」なのか と関連しますのでその方と併せて質問いたします。

5.男女共同参画への取り組み方についてお尋ねいたします。

権威ある出版社から今年の1月末、ある本が出版されました。本の名前と書かれた人の名前はここでは申しません。この本にこう記述されています。

「それどころか、たとえば平成14年6月に「男らしさ」「女らしさ」を否定しないという趣旨の規定を設けた条例を創ったはずの山口県宇部市の実態は、ジェンダーフリーだらけです。市内の学校では男女混合の騎馬戦もやっています。
市の「男女共同参画推進プラン実施状況報告書」(平成15年度)には「ジェンダーフリー教育」がおこなわれたことが堂々と記されています。

 まだ私たちの街、宇部市について記述されていますが、ここでまさに真剣勝負のつもりで執行部にお尋ねいたします。平成14年6月に条例を制定した議会の尊厳、宇部市の名誉がかかっております。

教育委員会にお尋ねいたします。
「ジェンダーフリー」教育がおこなわれているのですか?

市長にお伺いいたします。
「宇部市はジェンダーフリーだらけ」なのですか?

明快な答弁をお願いいたします。

6.最後に「拉致問題の全面解決を!」県民集会(後援)について
昨年9月の一般質問でも取り上げました。日本人である以上、「拉致問題」については黙っているわけには行きません。地方自治体宇部市としてこの問題についてどう考えておられますか、お尋ねいたします。
3月27日(日)13時30分から渡邊翁祈念会館において「拉致問題の全面解決を!」ということで県民集会が開かれます。宇部市、宇部市教育委員会ともに後援していただくことになりました。そして多くの方々に入場券を購入していただきました。心から感謝いたします。是非、多くの皆さんに参加していただき、13歳で拉致された「横田めぐみちゃん」、彼女は今40歳、「めぐみさん」とお呼びすべきでしょう、宇部に来られる彼女の弟「拓也」さんを励ましてあげようではありませんか。そして、「めぐみ」さん達をを拉致した国家に対して、日本人としての怒りを示そうではありませんか。

以上で、壇上からの質問を終わります。