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三澤 廣氏の活動報告
(作家)

 三澤 廣氏の一覧


リベラルの欺瞞  (R6-10)

 前にも述べたことですが、「天皇制は要らない」と言っているリベラルの人々が、一方で「女系天皇を認めよう。そうでないと、天皇制が続かなくなるから」と主張するのは、驚くべき欺瞞です。ところが、善良な市民は、そのずるさに気が付かずに、「そう言われればそうだ」と変に納得してしまいます。論理的な思考に慣れていないからです。

 今度は、立憲民主党が女系天皇を立てるべく蠢動を始めました。私がリベラルを嫌いなのは、一にも二にも、彼らが論理的誠実さを持っていないからです。第一、北朝鮮を褒め讃え、保守派の講演会を暴力的に潰すような連中がどうして「リベラル」なのでしょうか。

 「リベラル」って、英語のliberalのことですよね。それとも、ヤンキーが使う「りべる」という隠語の動詞があって、「都合よく人を利用する」という意味だそうですから、その受身形でしょうか。「りべられる」を文語にすると「りべらる」になりますからね。

 「りべる」の語源は「利便」を活用させたものらしい。私の単独説ですが。

 anti-liberalのくせして、liberalを標榜するというのは、「天皇制が続かなくなるといけないから女系天皇を認めよう」というのとまったく同じ、「人を騙す屁理窟」なのです。

 立憲民主党は、党として正式に、「皇位の安定的継承」のために、「女系天皇を認めるべきだ」と言い出したのです。陰謀の目的は奈辺にありやと多少は眉に唾を付けて聞く訓練をしたいものです。

 もちろん、皇室廃絶という真の目的を隠しているのですが、さらにその元を辿れば、中韓朝の指令だというのです。宋の太宗(10世紀)が日本の使節に向かって、中国の王朝の目まぐるしい交替と比較して、万世一系を「羨ましい」と言って歎いたという話があります。女系天皇になれば、羨ましくなくなるのです。

 立憲民主党のこの提言の中に次の一節があります。

 「男系に固執するあまり、皇統そのものを途絶させることは甘受できない」

 個人ならともかく、公の団体が、天下の公党が、公式にこれだけ卑劣な二律背反を口にすることができるとは、私はただ絶句するしかありません。そして、マスコミが全くそのことを指摘しないとは、日本の将来は真っ暗だとしか言いようがないのです。

 

 ところで、その論理的矛盾だらけのリベラル、つまり女系天皇支持者が、伝統派(男系護持派)を「論理的矛盾がある」と非難しているポイントがあります。

 竹田恒泰氏は「明治天皇の玄孫」だと言われます。「玄孫」は「曽孫」の子、「やしゃご」とも言います。じゃあ、竹田氏から見れば、明治天皇は「玄祖父」というのかといえば、それは間違い、「高祖父」と言います。

 明治天皇の男系男子の子孫は上皇・常陸宮・天皇・皇嗣(秋篠宮)・悠仁親王の御五方以外にはいらっしゃるはずがないので、竹田氏は「女系の玄孫」です。明治天皇の皇女が竹田宮家に降嫁して、その子孫に竹田氏がいるのです。(もちろん男系では、室町時代からの伏見宮家の直系末裔です)

 そこで、リベラルは、竹田氏を目して、「男系派のくせに、明治天皇の女系子孫であることを自慢するのはおかしい」と言います。

 また、旧皇族を復活させようという伝統派の間では、十一宮家の中でも、明治天皇の皇女たちが降嫁した「竹田、北白川、朝香、東久邇(ここには昭和天皇皇女も降嫁)」の四宮家から皇位継承者を迎えるのがよいという意見が強くなっています。

 リベラルは、これについても同じことを言っています。「男系派のくせに、都合がよくなると女系を持ち出す」というのです。

 ここにもまた、論理的思考能力を欠くリベラルの特徴がよく出ています。また、リベラルが日本の歴史を知らない(もしくは知らないふりをしている)ことがよく分かります。

 

 1500年前、25武烈天皇(数字は代数、以下同じ)が嗣子なくして崩御しましたので、朝廷の重鎮だった大伴金村(おおとものかなむら)は越前まで使いを出し、15応神天皇五世の子孫を探し出して来て皇位に即けました。これが26継体天皇です。越前にいた人ですが、父の代までは近江にいたということから「近江王朝」と呼ぶことがあります。

 継体天皇は越前にいたときから、妃を娶って(少なくとも)男子二人を儲けていましたが、前の王朝との継続性を強調するために、武烈天皇の姉(24仁賢天皇の皇女)である手白髪皇女(たしらかのひめみこ)を皇后としました。この皇后から生まれた28欽明天皇が現在の皇室の祖です。

 継体天皇は応神天皇(武烈の直系先祖でもある)の直系の男系子孫ですから、他に近親の皇族がいない以上、正統な皇位継承者です。

 ただし、継体天皇は、応神の子孫ではなく、近江(越前)の豪族が皇統を名乗っただけの簒奪者だという説があります。だから日本はそもそもの始めから万世一系ではないのだという誹謗が絶えません。

 これについて、数年前に朝日新聞が面白い記事を載せました。記者の原稿だったようですが、さまざまな史料を使って検証した挙句に、「どうも継体が応神の男系子孫であるというのは本当らしい」という結論に達したのです。正確な年度は覚えていませんが、二月十一日の特集だったのが面白かった。

 あの大朝日が「皇室は万世一系だ」と認めたのです。どこに疑いを容れる余地がありましょう。

 そう言ったら、リベラルの知人が、「いつも朝日の悪口を言っているのに、こんなときだけ、『朝日が言っているんだから』というのは矛盾するじゃないか」と非難しました。

 その言い方! 一般人のリベラルは、悪意というより無知蒙昧なのです。悪意のリーダーにりべられているのです。いいように利用されているのです。

 読者の方々にはご説明の必要もないと思いますが、日本と皇室にヘイトを浴びせ続ける朝日が、皇室に有利になる記事を書いたということは、産經が書くよりも信憑性があると言っているのです。

 これをしも「矛盾するじゃないか」とは、いかにもリベラルらしい論理の欠陥、もしくは屁理窟であるとしか言いようがありません。

 それにしてもこれを書いた記者、社内でリンチに遭ったのではないかと心配です。朝日の社是は、「読者に正しい歴史認識を与えてはいけない」だからです。

 継体天皇が前王朝の皇女を皇后にしたのは、応神天皇から五世を経て、男系の血が前王朝から離れすぎてしまった正統性を、「女系で補強」するためだったのです。あくまで、男系の正統という理由で皇位に即くことが可能だったのですが、女系でもって皇室の血を濃くしたのです。正統性が弱められる道理はありません。

 「女系で補強」が論理の破綻だというのは、「あいつは将棋の天才だと思っていたら、なんだ、碁もやるんじゃないか。じゃあ、将棋の天才だというのは嘘だったのか」と詰(なじ)るようなものです。碁も強いからと言って、将棋の強さにケチが付くわけではありません。リベラルが「女系で繋がると男系のつながりが弱まる」と言いたいのです。自分が同じ理窟を弄んでいると気が付かないのでしょうか。

 

 これに似たような例はいくらでもあるのですが、特筆すべきは、江戸時代の119光格天皇です。

 118後桃園天皇が男子を遺さずに崩御しました。そこで、四代前の114中御門天皇(後桃園の高祖父)の弟(113東山天皇の皇子直仁)に始まる閑院宮家に白羽の矢が立てられました。初代が直仁親王、次が典仁(すけひと)親王。

 その皇子はたくさんいましたが、みんな出家させられて、残ったのは後嗣の美仁(はるひと)親王と末子の師仁(もろひと/のちに兼仁カネヒトと改名)親王だけでした。美仁が閑院宮家を継ぎ、師仁が皇家(こうか)に入って119光格天皇となりました。

 こんなとき、兄である美仁が天皇になり、弟の師仁が閑院宮家を継ぎそうなものだと思いませんか。実際、室町時代に伏見宮家から102後花園天皇が出たときは、そのように計らいました。

 その例に倣わなかったのは、他でもありません。先帝後桃園天皇には幼い皇女(欣子内親王)がいたのです。美仁は年も離れている上に、すでに妃がいました。そこで、未婚の少年だった師仁が選ばれたという次第です。欣子(きんし)内親王が光格天皇の中宮(江戸時代には皇后とは呼ばなかった)となりましたが、子供は生まれませんでした。

 さて、ここでも、師仁は傍系から入った血の薄さを女系で補強したのです。歴史を知っている人なら誰でも、そのくらいのことは分かっています。女系だけでつながる人を正統と認めようという昨今の議論とは話が違うのです。

 「でも、学者が違うことを言っているじゃないか」と反発されそうですが、そういう学者は知っていて嘘を言っているのです。一般人が言っている場合は騙されているのですが。(正確に言えば、学者の中にも一般人より無知な人が多く、そういう人は本当に信じているのかも知れません)

 

 無知な学者の無茶苦茶な主張も紹介しましょう。7世紀の38天智天皇と39天武天皇は同母の兄弟ですが、34舒明天皇と35皇極天皇(女帝)の間に生れました。大化の改新で皇極は弟の36孝徳天皇に譲位し、孝徳崩御の後に、37斉明天皇として重祚しました。その崩御の後、息子の天智天皇が後を継ぎました。

 ここで、学者の中には、「女帝の斉明から息子の天智に皇位が移ったのだから、天智は女系天皇だ」と言う人がいます。これがまた、いかにもリベラルらしい強弁(こわべん)です。

 さすがに「女系天皇」だというのは憚られるようで、「女系継承」だという人もいます。皇統二千年の末に、新しい用語を作り出さないで下さい。「男系・女系」というのは、一人一人の天皇について言うのであって、「継承の仕方」に男系も女系もあるわけではありません。「無知な学者」と言いましたが、無知なのではありません。知っていて、悪意で言っているのです。

 そういうことを言う人たちは、結局、「舒明(父)の後すぐに天智(息子)が天皇になっていたら男系継承だが、間に皇極・斉明(母)が入ったから、もう男系ではなくなった」と言っているのです。どうして、こんな単純な屁理窟に騙されるのですか。

 「天皇家は直系主義だ」というのも同じです。「双系」だと言う人もいます。全部嘘です。馬鹿馬鹿しいから、もう説明しません。

 リベラルは、この「女系継承」によって、天智の男系としての正統性が損なわれたと言いたいのでしょう。「父だけが天皇だったら正統だが、母も天皇だったから正統性が弱まった」と言っているのです。少しでも言語論理・数的論理を知っている人なら、こんな馬鹿なことを言うはずはありません。

 むしろ、母が天皇だったことによって、天智の正統性は補強されたというべきでしょう。ここでは、天智は始めから正統性には何の問題もありませんでしたが、女系によって男系の正統性が補強されたのです。

 女系天皇を認めるべきかどうかを論ずるときは、正しい歴史認識を持って下さい。

 慰安婦報道について、ひと昔前は、「正しい歴史認識を持て」と言ったら、「強制連行があったことを認めろ」という意味だったのに、今では「強制連行がなかったことを認めろ」という意味に変っています。

 皇室問題についても、正しい歴史認識とは何であるかを考えて戴きたいと思います。

 

 「女系天皇でなく一代限りの女性天皇なら伝統に反しないからいいじゃないか」というのは、もっともな意見であるのですが、これをリベラルの人が言うときは、おためごかしなのです。

 愛子さまを一代限りの女性天皇にしようという人たちは、愛子さまにお子様がお生まれになったら、男女いずれであるにせよ、その方に愛子様の後を継がせようと画策するに決まっているじゃありませんか。始めから、万世一系を崩すために陰謀を企んでいるのです。

 女性宮家を主張する人たちは、「夫や子供を皇族と認めなければいいじゃないか」と言うことがあります。伝統派を懐柔するための欺瞞です。最初はそういうことにして、いずれまた皇室典範を改正し、夫も子供も皇族にして、皇位継承権を認めようと画策しているのです。

 きたない。きたない。きたない。

 リベラルの特徴は「きたない」ことであると私は理解しています。