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蓮坊公爾氏の活動報告(基)
(文芸評論家)


令和元年度  令和2年度

 令和3年度
3-13
【新刊紹介】
『日本を蝕む新・共産主義』馬渕睦夫著、徳間書店・本体1400円。
〈ポリティカル・コレクトネス〉−の欺瞞を見破る−と、副題にある。
此れは、〈性・民族・宗教〉等、あらゆる異次元の認識を否定。すべからく国家とは、各国共通意識に基づいて行動をする事。
然し、今日に於いても、諸国家とは、血族に依る個性(宗教や国民性他)が根源を為す。世界を単一と見なすグローバリズムは、一種の全体主義なる進歩史観であり、現状より未来に託す「新共産主義」と筆者は、慧眼致す。元ウクライナ大使の正論は耀く。
こうした視点で眺めればだ、外国人の過激な言動を批判する日本人は、真っ当な指摘であっても、〈ヘイトスピーチ〉の烙印を捺され、罰せられる、市の条令が存在する。此処には、〈言論の自由〉そのものが無いんだ。息苦しい抑圧された社会に向かい、条令が発動されて居る。
馬渕曰く、本来日本民族には「にぎみたま」なる生活観があって、闘争心より「生かされている」日常−情愛と太陽信仰が共存共栄して居る。安らぎを糧となす、一神教に無い和やかな自然崇拝があると。
移民を奨励する政治家・財界人なる拝金主義者(三島由紀夫が嫌う俗物)は、外国人受け入れを絶讚する。ドイツ・フランスの現状を鑑みればだ、宗教対立と犯罪増加に、悩まされている。
人間の移動の自由は、移民の自由化であり、日本独自伝統文化の衰退をもたらす。「一千万人の移民受け入れを目論むグローバリスト」・馬渕は、日本崩壊を目論んでいる。
其れは「やまとごころ」を忘れ「からごころ」を称賛した結果と筆者は呼ぶ。
私の尊敬する偉大な國學者・本居宣長は、〈からごころ〉−漢意−を廃し、古事記等に接する重要性を語って居る。真に尤もで、古事記・日本書紀そして万葉集は、私の座右の書物である。今日の西洋合理主義との訣別でもある…。
民俗学を述べ、皇室に想いを寄せ、国際情勢に慧眼−〈精神の再武装〉馬渕を熱望致す。
ウクライナ情勢を他人事と解する日本人は、島国圏の内側で輪舞する自由が、未来永劫続くと信じているかも知れぬがだ、我が国の周辺の敵対国家を甘くみたら、祖国存亡の危機をもたらす。
拝きみちか



3-10
【新刊紹介】
『NHK報道の裏側』大和大介著、展転社・本体1300円。
マスメディアは、〈第四の権力〉と呼ばれ報道の自由為る御旗を振りかざし、偏向番組の捏造行為(本書は偏向報道の追求無し)を容認致す奇態も生まれる。
肥大化する「NHK」王国にメスを入れ、其の問題点を分析したのが貴書だと云うこと…。
著者・大和氏は、腐敗した体制内での記者体験(二十三年)の〈実証見聞〉には、説得力に充ち溢れて居る。「NHKの実態や問題点を視聴者に伝えるべき役割があると考える」・筆者。
〈NHK受信料は半額にすべき〉−副題にある。
「衛星放送で1ヶ月270円は高すぎる」(年間七千億円収入)の現実。改善は、月額1000円での放送サービスを考えよ−大和氏の提言。職員の平均給与が一千万円。持ち家社員に月五万円の手当、タクシィ使用を大幅容認。つまり、高額受信料を搾取しながらだ、大盤振る舞いの企業体質を批判して居る。
更に驚くべき事は、営業ルートにて個人情報を把握する行為ー「受信者名簿」流用の有無。此れは明らかに犯罪だ。
「特別ルート」なる裏情報で〈当確〉を流すのもNHKならでは。国政選挙はNHKの十八番イベント。出費に上限が無いそうだ。災害報道に関し、地方程信頼度が高いそうだ。
東京一点集中の弊害から劣化するローカル局の素顔迄、当事者ならでの解明。結果として「NHK改革」を提案致す。受信料負担軽減も、その一つだ。
飽きる術なく、一気読みしてしまった。
拝きみちか



3-8
【良書紹介】
『亡国の歴史教科書』井上寛康著、展転社・本体1700円。
〈亡國〉とは、消滅した民族意識と失われし大和血脈の事である。
−祖国は瓦解し、無機質な人間損失と独自の伝統・文化が消え失せた〈国家なきアナーアキィ−〉状況を指す。
此を筆者・井上寛康(保守運動家)は、「没・民族の気概」喪失と呼ぶ。
現在置かれている日本国の立ち位置は、歪められた歴史「観」−子供達が学ぶ日本憎悪(自虐)を推進する管理下(文部科学省)ー悪魔の囁き(左傾された教科書検定制度)−が災いする。
「日本に誇りを持ち、この良い国を築き遺してくれた先人に見倣って、後の世代にも良き日本を遺して行こうという気概を持たせる」(井上)。為に、使命感溢れる教科書調査官が不可欠。然し、故村尾次郎氏の如く憂國の闘いを念頭に、検定を薦めた日本人は、過去形に成ってしまった。
愛国を極限迄高める支那・ロシア(民族至上主義の高揚)は、独善的エゴイズムだが、ユアラップやアジア諸国に於いても、母国の歴史は、民族の誇り。此の伝承に溢れて居る。
其れが、青少年に祖国のロマンを与える「歴史教科書」(公民も含め)の真摯な使命だと云える。
井上氏が指摘致すのは、東京書籍を始め〈歴史〉教科書(自由社・育鵬社除外)の多くは、古事記及び日本書紀に観られる「神話」・神武天皇等を無視、日清・日露や大東亜戰争他、すべからく〈大日本帝國の侵略〉と呼ぶ。
日韓併合、満州國をも我が国の無謀と記載。全て、負の要因は日本だけにあると。
感性豊かな若人に、憎悪を植え付ける教科書の視点。一種の洗脳だね。此を容認する役人には、「教科書検定」を行う資格そのものが無い。
本書は、古代から近代迄の東京書籍版を中心軸に分析した。実証検分は、読者(特に中学生)に〈日本の黎明〉をもたらす。「東京書籍はゴミ箱へ」(井上)。
文科・教育関係者の入れ換え、教育委員会の改革一新。井上寛康氏の卓論は、今日の教科書検定を反故にすべしだと云うことだ。拝きみちか



2/4
【新刊紹介】
『グッバイチャイナドリーム』竜口英幸著、集広舎・本体2200円。
貴社新刊『中国からの独立』−抹殺される少数民族−の実態トギュメントには〈目から鱗〉、「書評」を発信、賛同を得た。
其れも此れも貴・集広舎為る版元の〈支那へのクサビ〉が、常に真っ当な指針で貫かれて居るからである…。
本書は、ずばり米帝国主義の東洋の神秘(?)中国大陸への熱き思い。「清国ブーム」(お茶と阿片)建国後すぐ貿易を始めた。其れが四百年続き、対極として嫌日本をもたらした歪んだ実態を解明。
一例はキッシンジャー、支那を崇め日本増悪「最悪なるジャブ」と侮る。
文中、南北戦争(シビルワー)で死者62万は、何と第二次世界大戦の米軍30万人の倍以上だ。
時の人・リンカーンの平等社会実現も詳しく著して居る。
フーバー前大統領から〈戦争犯罪人〉と卑下されたルーズベルトは、栄美齢(蒋介石妻・英語堪能)の美貌に酔い、スターリンをも讃える奇々怪々な俗物。
ルーズベルトが大統領の時、大日本帝國が対米戰を余儀なくされた。正に国家的悲劇だと云える。更に、ドイツ製暗号機を使用した日本は、全て解読されて居たそうだ。
為らば戦後の我が国は如何か。「池田勇人以降〈政経分離〉、中国の政治に目をつぶり、冷静に中国を見つめる」(竜口)術を忘却した。
特に習近平〈軍民融合〉(全て中国軍に吸い上げ)の実態に封印する極楽鳥・日本国の経済至上主義−此れに警告を発している竜口氏である。
支那を偉大なる隣人として過去に評価(ニクソン・カーター・クリントン)大統領諸君だが、今日の米国の意識変貌は、適切と云いたい。
「チャイナドリーム」にグッバイを言える日本政府・経済界を熱望致す為にも、氏の〈精神の遊び〉と語り−歴史随筆風にまとめた著作は、偉大な羅針盤足り得る、と解するのである。
歴史推移の範疇で発生したアメリカの歪みと真実を述べ、大日本帝國(大東亜戰争を含む)の情況及び国際情勢。支那大陸の過去から現在まで−独善習近平体制の問題点と将来、本書は〈知識の宝庫〉である。拝きみちか



1-27
『中国から独立せよ』小滝透著、集広舎・本体2000円。
貴書を一言で申せば、躍動するリアリズム−血潮の息吹だと云うことだ。
内モンゴル・チベット・ウイグル民族の叫び、漢民族との訣別への祈り−日本國への思い。
個別に著した書籍は多々ある。然し、凝縮した〈知識の宝庫〉が此の一冊内に込められて居る。著者・小滝透氏の眼力・努力(実践)の賜物。
孫文・毛沢東の大漢民族主義なる偏狭ナショナリズムは、周辺の少数民族への弾圧をもたらし異常である。孫文の三民主義は、漢民族への道標であり他民族への配慮は皆無。
中国共産党は、同化政策を実施するが空手形に過ぎぬ。此の独善的弱体化政策は、今日の習近平体制(民族識別政策・民族区域自治制)へと継続されて居る。
中国の侵略は、支那領新疆ウイグル自治区、チベット、内モンゴル自治区そして回教自治区にも及び〈國内植民地〉と筆者は呼ぶ。
今日、日本人の眼中にあるのは外モンゴル〈相撲力士〉であり、内モンゴルへの想いは無い。
〈支那からの独立〉−蒙(モンゴル)・蔵(チベット)・回(ウイグル)を成す為、過去に大日本帝國は、如何なる戦略を行使したのか…。防共への防波堤、少数民族との関係強化(独立支援)は、既に満州國・建國当時、軍人の手により狼煙が上がって居た。
大陸浪人(伊達順之助等)も活躍した。民間・興亜義塾の築山力他(モンゴル青年に成る)、モンゴル班やイスラム班として黎明をもたらす活躍をした。大本教聖師・出口王仁三郎も、モンゴル独立運動に貢献した。「同胞民族共存共栄ノ大義ニ則リ」を旗に活動した。
モンゴル・ボグト政権は、〈内外モンゴルの統一〉を望んだが、中露の狭間で断念させられた。オロチョン族や白系ロシア、回教徒部隊も関東軍に編成され、中ソ共産党と戰った−大日本帝國敗戰は、悲惨な光景を亜細亜諸國にもたらし、今に至る。
支那共産体制特有の弾圧〈反宗教政策・情報統制〉に依って、首根っこを押さえられた「蒙・蔵・回」の将来に思いを抱けば、沈む夕日に、心も痛む…。
我が國が、大陸國家と海洋國家−支那と米国−二正面作戰を実施、結果〈國敗レテ〉廃墟となる。其の点を小滝透氏は、亡國の極みと批判致す。
「あとがき」に於いて、氏が「内モンゴル・チベット・ウイグルとの関係を少しばかり表せたのではないか」と、謙遜に語るがだ、此の心意気は読者に絶大な貢献をもたらしてくれた。拝きみちか



1-22
【論文紹介】
『こうすれば憲法改正が出来る』諸橋茂一。
当論文は、諸橋茂一氏(「新しい歴史教科書をつくる会」・理事)が、日本会議新潟支部・万代シルバーホテルにて、令和3年11月20日講演し要旨−まとめたものである。
「当時、我が國(マッカーサー管理下)は、主権も外交権も国防能力も全て無い」(諸橋)。独立國家体制そのものが消滅した状態。政府は存続しては居たが。
其れを、東大法學者・宮澤俊義は、「八月革命説」を根拠に、大日本帝國の主権(天皇主権も含む)も抹消されたと…。然し、諸橋氏の慧眼に依ればだ、戰勝國が一方的に裁く「極東軍事裁判」(戰時国際法・ハーグ陸戰法第四条違反)は無効である。
占領基本法(英文憲法)としての「日本国憲法」も、占領期故の非合法で容認に至らぬ−私は言いたいね。
にも拘らずだ、日本國民の六割強が〈憲法改正〉に反対だ。此の異常を不自然と感じぬ現状は「別段生活に影響がない」なる手前勝手な偏狭エゴイズムと、経済至上主義の為す態とみる。
其れも此れも、新刊『吉田茂という病』(杉原誠四郎・波多野澄雄・自由社)に詳しく、私(書評・蓮坊公爾)は載せたが、単独講和の成立後に〈自主憲法制定〉の機運(ダレス特使も奨励)が高まる。
為れど〈戰力としとの軍備〉を憎悪する吉田茂首相は、此の好機を無視した。−此れをも含み「吉田茂の病」と呼ぶ。
「今のままでは憲法改正は非常に困難」(諸橋)為らばどうするか。諸橋氏は、貴論文に於いて、壱「民主主義の原則に則り衆・参両院−総員過半数の賛成−、現憲法無効「新憲法案」の承認。弐・大日本帝國憲法(第七十三条)改正致す事。必要条令は、随時追加容認するのである。
ドイツを始め國家が存在ありせば、其処に改正の余地が発生する。其れが國民生活向上をもたらす。すべからく政治家の職務である。
余談ながら、戰後〈戦力容認〉したのは、日本共産党だ。身勝手な政党は、今や護憲の旗振り役だ。
諸橋茂一氏の「憲法改正」論は、一講演の枠を飛び越え、出版されるべき理念に溢れてをる。拝きみちか



1-18
『文学時標』全一巻、不二出版・定価2000円。
此の復刻版は、昭和21年一月から十一月迄刊行された新聞。小田切秀雄・荒正人・佐々木基一により創刊された。
旋風を巻き起こしたのは、〈文学に於ける戦争責任の追求〉を理論化して「文学検察」−文学の冒涜者たる戦争責任者を最後の一人に至るまで−〈追求・弾劾〉。「文学上の生命を葬る」(伊藤成彦)と云う、キナ臭い方針で貫かれて居たことだ。
GHQの極東軍事裁判は、戰勝國の敗者・日本への裁き(見せしめ)だが、新聞「文学時標」は、独自の信念に基づく文学者と対峙した、イデオロギィ−の糾弾だと云うことだ。
菊池寛・吉川英治・斎藤茂吉・船橋聖一他40人近い文学に携わる人間を執拗に追及した。
東大新人会で活躍した左派林房雄の転向が問題視された。開戰を讚美したとして、高村光太郎を吊し上げ、結果高村は、岩手の雪深き山小屋で隠遁生活を余儀なくされた。画家藤田嗣治などは、戰争画の祖國讚美に鉄拳を下され〈日本憎悪〉の念に苛まれ、母國を見限りパリに移る。
此のタブロイド新聞は、僅か十三号で休刊した。中野重治対平野謙と荒正人の「戦争と文学論争」、「主張」「作家案内」等、当時の文壇状況を鑑み愉しく熟読した作品もあった。然し、紙面の方針からして、独善性なる毒素が多分に浸透した編集だった…。
三島由紀夫は、小田切進む(小田切秀雄の息子・編集担当)に「共産党への入会」を薦められた事、すっかり思い出したね。拝きみちか



1-14
『私の半生』諸橋茂一著、高木書房。
私小説なるジャンルが確立して居る我が国に於いては、「自分史」への導きが多々ある。わたしを語る人や「社史」を編む企業・団体もある。
人間の存在感を〈追憶〉として遺す自由は、読み手の側に、〈共感と励み〉をもたらす事もある。
貴書は、諸橋茂一氏(昭和23年生)が、諸橋樹脂工業を設立−平成2年・(株)KBMに改称(金沢)、今日の偉業を振り返る貴重な指針−人生の道標−だと云うこと。
刊行が令和2年とあるが、此の年が「創立五十周年」の節目でもある。今日に至る私(諸橋)の歩みを述べているが、此れは一般的刊行物の範疇である。然し、諸橋茂一氏には、他者に類を観ぬ瑞光がある。
其れは、65歳の御年、社長の座を長男・強正氏に譲った。楽隠居を望んだ訳に非ず。
祖國日本に恋闕致す人間・茂一は、日本の現状に危機感を抱く。つまり、やむにやまれぬ〈大和こころ〉−憂國の武人としての「行動の美學」の為す業。
知行合一の武人は、亡國「村山・河野談話」の狂気、教科書問題に取り組む。「大東亜聖戦祭」を実施。「新しい歴史教科書をつくる会」の理事をなさっている。講演や著名人(一例、李登輝総統)と談話・友好もされてをる。
いち企業人として、創業精神(社員が報われる社会)訓示する経営者に留まらず、明鏡止水にて日本の明日の御為に雄飛する姿に敬意を評したい。
本書は、個人に止まらず、あまた企業経営者に読んでもらいたい。感慨無量を味わう筈である。
「善とはなにか、あとあじの良いこと。悪とはなにか、あとあじの悪いこと」。(ヘミングウェイ)
拝きみちか



1-11
【良書紹介】
『中国 vs世界』安田峰俊著、PHP・本体920円。

「中国の視点から世界を眺め、また各国の視点から中国を眺め直す」−筆者の意向である。
本書の独自性は、欧米大国と支那の関係は、あまり触れていないのが特徴。
先ずイスラエルに触れ「開封のユダヤ人」を語る。中国国内には中国系ユダヤが存在(千人以下)する。其れは、他のアラブ・ペルシャ人同様に、シルクロード経由にて中国に定住した人々である。一方イスラエルに定住したり軍人になったチャイナ系の民もいるそうだ。然し、中国政府のユダヤ人迫害が両国の関係にヒビが入る可能性が高まった。
ナイジェリア人は広州に多いそうだが、コロナ騒動に依り黒人差別・暴行が多発。支那人民のナイジェリア人に対する意識にも変化が生まれた。
中国に隣接するカザフスタン。一帯一路の始点であり、中国と欧州を結ぶ鉄道網の重要性がある。だが、イスラム教徒を弾圧する習体制と擁護するカザフ政府。両国の関係に軋轢発生かな。
アフリカの大国・エチオピアと中国の関係は、親密だね。首都アジスアベバとジブチ鉄道は、中国鉄建が請け負う。アフリカ連合ビルも中国の援助だ。WTO・テドロス事務局長の「中国寄り」は、破廉恥の極み。尤も、毛沢東時代から中国共産党は、アフリカ連帯(第三世界)を築いていった。
オーストラリアと中国は、自由貿易協定を結び親密な関係を構築してきた。然し。心無い議員が、支那の富豪家から献金・利益供与を得たり、スパイ活動も発覚〈目に見えぬ侵略〉−華人系増加−の問題化。よって、中国に翻弄される時代に幕は閉じた。
セルビア・パキスタン等、支援物資や鉄道建設−経済支援による従属化に近い関係が継続されているが、其れはアフリカ諸国と同一だ。
ロッキ−山脈で金塊が発見、支那人坑夫が殺到したカナダ。オーストラリア同様に、議員の利益供与も生まれた。
リッチモンド市では、中国系住民が何と七割を占める。其れは異常状況で、祖国を支那に売却したようだ。当然ながら、スパイに類する華人議員が居る。更に厄介なのは、此の人物は〈対日歴史問題〉(南京大虐殺・慰安婦)等を持ち出し活動をする。
甘口の自由主義国家、オーストラリアやカナダも中国に寛大(当然日本)である。此の仇が進路変更をもたらし支那への危機管理(日本は変わらず)を邁進させた。
「習近平が成立してから、中国の監視社会化と外国人への警戒が高まった」(安田)。
貴書により、拡散する支那文化の毒矢の怖さを知る事が出来た。拝きみちか




1-10
【新刊紹介】
『吉田茂という病』『続・吉田茂という病』杉原誠四郎&波多野澄雄著、自由社・本体1200円、1500円。
吉田茂に関しては、猪木正道・高坂正尭等の評伝(回想)に於いて〈大宰相〉と崇められて居る。此の御仁無かりせばだ、日本国の平和と繁栄は皆無。
偉大な文明を築いたローマ帝国の末路−廃墟となる。堤尭「再軍備を拒否した為に朝鮮戦争に捲き込まれずにすんだ」(続編)。
厳密に申せば、国連軍と北朝鮮(中国軍も含む)との戦いと、我が国の立ち位置は別問題である。察すれば、吉田茂故に日本の発展が在る。保守派の論点は、全て此処に行着く。
本編と続編では、〈吉田病〉ありて今日の病理が蔓延した。時代を変革するには、先ず吉田茂の過ちに真摯に向き合うべき。「國敗れて山河なく」−異常な空気に満ちた亡国を分析した大書(約900頁)である。
〈大東亜戰争への道標・吉田茂の罪と恥の文化〉を詳細分析−大悟徹底してをる。
然し、吉田茂を語る以前に於いて、伊藤博文「議員内閣制」の問題点。日清・日露、支那事変そして大東亜戦争の真相究明(一例、東条英機や山本五十六の糾弾)も致す。
明治・大正そして昭和時代を、明敏な頭脳と誠道なる歴史観で対談して居る。
私感を申せば、大東亜戦争時に米国大統領がルーズベルトなる日本増悪・有色人種排除の人物存在が、悲劇の要因だ。
其れは、前フーバー大統領が、回想録で〈ルーズベルトの罪状〉を糾弾してをり、興味津々。
吉田首相は、壱・日本は「有条件降伏」(帝国軍隊の降伏)−つまり、ドイツ・イタリアの如く政府の崩壊が無い事。にも拘らず「無条件降伏」を容認。弐・自衛権を放棄(第九条擁護)、自衛の為の戦力をも否定、ダレス特使の再軍備要請を却下した。三・一貫して古巣外務省を庇護、真実を封印(真珠湾攻撃「最後通告」を外出で遅れ)等。
尤も、吉田茂は憲兵に連行された苦い経験から軍人を毛嫌いして居た。
戦後の「吉田路線」とは、日米安保容認(米軍任せ)・経済中心(実際は占領軍が政策実施)と〈朝鮮特需〉−戦力放棄。こうした吉田の姿勢を「敗戦利益者」と呼び、お二方は批判に及ぶ…。
続編に於いて、仮定の話しとして、米国との早期終戦合意があれば満州国の存続。朝鮮半島の安定をもたらしたと。親日グルー大使の努力があったが、嫌日・ルーズベルトが相手、我が国の悪夢だね。
摩訶不思議なのは、日本国の立ち位置が占領終結後、国益に鑑みての憲法修正(特に国防や皇室)も成されず、居直り吉田茂の独断で推移。「吉田路線」の継続者、池田勇人・佐藤栄作−保守本流と呼びつつ〈日本国の伝統・文化〉を置き去りにし、令和の今日に至るのは、痛恨の極みだ。
波多野氏の御指摘の如く、日本国の伝統文化の継承−三島由紀夫の〈文化概念の天皇〉が國體の神髄であって、憲法改正の根源と為す。
法曹界を牛耳る宮沢俊義憲法學が「天皇主権から国民主権」に変わった。此を〈八月革命説〉と勝手に呼んだ。然し、ロシアやフランス革命と異なり、日本国・天皇は、象徴(元首)にて在らせられ令和に至る。つまり、國體の連続性は不変だと云いたい。
宮沢憲法學は未だに猛威をふるい、反軍の極み−戦力不所持(第九条)で、自衛隊の足枷になって居る。此れすら是正出来ぬ政府や法曹界は異常だ。
「憲法改正」論(国民と共に考える)は時代の要請であって、この際・「加憲」公明党とは袂を別ち、日本維新の会や日本国民党にて共同提案いたすのが正論である。
「本編・続編(応用編)の繋がりをもって、日米開戦八十年を期して出ることは、縁があった」・杉原誠四郎。
生殺与奪の吉田人物像が、闇夜を照らす鈍色の如く浮揚するのである。此の「病」に自虐された日本には、目から鱗の不死鳥たるべく感動を与えてくれる杉原・波多野両氏に敬意を表したい。
【参考文献一覧】も読者への道しるべ。
「真理は人間を邪悪な人、もしくは自惚れ強い人にはしない。真理の現れは、つねに温和で謙虚・純一である」−トルストイ−拝まさみつ
◎どうぞ御自由に、情報発信して下されば、有り難し。杉原誠四郎様




12-17
【新刊紹介】
『台湾と日米同盟』浅野和生編著、展転社・本体1700円。

貴書は「日台関係研究会」(平成7年設立)の叢書(平成26年依り刊行)第八巻−浅野和生責任監修本である。
以前と異なるのは、〈日台関係の構築〉為る歴史的状況を述べるに辺り、地政學の観点から、強権的独裁に邁進する支那・習近平(スターリンの再来)体制と対峙する防衛壁。つまり、共有価値観(日台)−台湾擁護としての自由主義圏の有り様。此れを実証的リアリズムで著して居る。此の点を評価致す。
故に、第一章「台湾と日米同盟」を表題とし、深淵な論理展開が、読者の共感を呼ぶ…。
其れは〈自由で開かれたインド太平洋構想〉・安倍晋三提唱ー「自由と民主主義を信奉し、法の支配を尊重する国家群にとっての共有指針」(浅野)足り得る。
台頭する中国(軍事力・政治・経済圧力)による〈最大危機〉に直面いたす台湾が、すべからく日本国の悲劇の前触れだと云うことだ。此れを浅野氏は危惧、其の御楯として「日米安保条約」の実効性に期待を致す。
然し、始めに米軍支援ありきの我が国の政治家や国民。極楽トンボの発想に甘んじてはいけない。基本は〈自衛隊に依る祖国防衛〉。
台湾国民が聡明なのは、自ら祖国・台湾を守る。此の意識が根底に在る点(国民九割が台湾人容認)にあやかりたい。
北方四島、竹島を強奪され、尖閣諸島も支那の戦略に蹂躙されつつある昨今、国防への情念が稀薄な日本人は、異常である。
蒋介石・国民党の台湾人への弾圧や米中国交樹立等を第二章で、尖閣諸島への対応を第三章で語る。海警局の取締り強化で、何時なんどき日本人拿捕。そして尖閣上陸の危機が迫る。にも拘らずだ、海上保安庁任せの政治家−怠慢に怒りを覚える。
最後に〈コロナ鍋〉に適切に対応した台湾と、崩れ落ちる日本の応対も載せて居る。
本書に於いて述べてもいるが、共通の価値を有する日本と台湾。今だに国交回復せずにいるのはだ、政治家の怠慢・経済界の思惑に尽きるね。
林外務大臣は親中派の代表格だ。政治家の行いは疑心暗鬼・奇々怪々…。
良き書との触れ合いは、心に水明をもたらしてくれる−明鏡止水である。拝きみちか



12-2
【新刊紹介】
『中国共産党暗黒の百年史』石平著、飛鳥新社・本体1400円。

石平氏は、日本国籍を取得した中国人である。其の理由は明快である。〈中国共産党の邪悪の本質〉が、人間の尊厳と自由を抑圧。
「革命史観」が毛沢東一派に依る人民搾取・強権への怒りだと云うこと。其れが習近平体制でも変わらぬ。
本書では〈暗黒の百年〉と斬り捨てているがだ、
人民の狂気の被害者は、数千万人に及び今日に至る…。
国民党との権力闘争(政権維持)では、周恩来が国民党内にスパイを放ち、権力を掌握したそうだ。結果、中華人民共和国が誕生した。
然し、氏に依れば現実の台湾に於いても、毎年数人の工作員が逮捕されて居るそうだ。米国・オーストラリア他−当然ながら日本国内でも産業スパイが暗礁してをる。
過去に於いて、橋本総理が支那女性と交際した事実が発覚。企業漏洩は、今日の危機管理の甘さに結び付く。
他国を顧みず自国本位の独善主義国家。其れが習近平体制−過去からの持続。
昨今「地方参政権」外国人容認の地方議会が多々ある。其の理由の一つに「居住しているから」を挙げる馬鹿議員が居る。
嫌日支那・韓国人には、日本の国益を鑑みる「善」は存在せず。母国への忠節だけがある。尤も強制力が伴う。此れすら理解できぬとは、無知の極みだ。
周恩来を〈魔性の悪人〉と批判、保身の為のエゴを暴く。日中国交正常化に依る我が国政治家・財界人に観る親中俗物の問題点。すべからく〈日本にとって不幸の起点〉と呼ぶ。
民主親日国家・台湾と断交した愚は、禍根を残すことになった。少数民族弾圧−限り無く抑圧されるチベットやウイグル民族そして香港の悲劇を直視して居る。
最終章では、「習近平ファシズム政権の正体と末路」を載せて、日本人に危機意識を促す。
「中共政権は政治的支配を強めながら民族同化の政策を進め、周辺民族に対し集団虐殺を行う」(石平)−習近平が独裁権力の頂点足り得たのは、江沢民の後押しの賜物であった。〈反日が国策〉中国では、度重なる歴史認識(日本の謝罪)は、糠に釘である。
石平氏曰く−習近平政権の破滅で終止符を打つべきで、此れにて世界は救われると…。拝きみちか



11-21
【必読書紹介】
『日米戦争を起こしたのは誰か』藤井厳喜・稲村公望・茂木弘道著、勉誠出版・本体1500円。

本書は、米国フーバー大統領(第31代)の『裏切られた自由』(回想録・英文千ページ)のエッセンスをまとめた憂國の書である。
もし日本人に依る〈真実の歴史観〉が刊行されたとしても、同族による敗者擁護として、世界に激震をもたらす事はなかった筈だ…。
〈狂人ルーズベルトの野望〉(フーバー)。アングロサクソンによる黄色い猿(人種差別主義)潰しの世論作り、残虐行為を率先実施、終に不要な原爆投下を行ったアメリカの暴挙。其れを、ハーバート・フーバー大統領は冷静に分析してをる。
マッカーサー元帥も同意「日本の自衛戦争」・米国外交委員会。
1941年を挙げても「対日経済封鎖・近衛和平案拒否・ハルーノート実施」(開戦前)−大日本帝國を絶望の淵に追い込んでいった。
こうした歴史的真相(検証)は、我が国のマスメディアや學校教育の場に於いて発信すべきだ。
お三方も、英文翻訳本の発行を熱望致してをります。然し、我が国の独善的侵略に染め抜かれた〈自虐史観〉の固定化。此れを否定するメディアも皆無だ。当然ながら、米国も自国の正義を否定する〈歴史修正主義〉を蔑視する。此の異常体質は、肉を食らい骨をも溶かし今日に至る。
序文を飾るのは、加瀬英明氏(外交評論家)である。氏も語っているが、嫌日家であるルーズベルトは、スターリンニスト・容共主義者だと云うこと。実際ソビエトに多額な武器援助なる暴挙を実施した。
日本国・松岡洋右首相等が和平を望むが、日本憎悪のルーズベルトに取って天敵ジャパンを消滅させるのが、天命だと云うこと。
〈日米開戦の導火線〉真珠湾攻撃を実行した大日本帝國。米国は、事前に暗号解読に依り把握していた可能性が高い。つまり、戦争回避を望む米国民を日本憎しの大戦への道筋をつけた。
此れがフーバーの見方である。
更に、お三方に依る詳細分析が続く…。
米国大統領ハーバート・フーバー『裏切られた自由』の著作によって、百鬼夜行ルーズベルトの〈日本原罪〉を修正する時は今なのである。敵は本能寺(ルーズベルト)にありや。
「真理は敵味方を超越する」・シラー。拝きみちか



11-18
【新刊紹介】
『「無脊椎」の日本』堀茂著、展転社・本体1700円。

〈脊椎〉の無とは何ぞや−筆者曰く「日本国民の〈精神的支柱〉である脊椎が戦後喪失し変容した」。此の歪な情況を示して居る。
狂気な状態が、何等疑問を持たず〈七十五年〉推移してしまった。こうした濁りを取り除き、〈高貴な精神〉の復活。大和島根の心魂を取り戻す為の、崇高理念を掲示して居る。
日本國−其の中心軸に天皇(アキツミカミ)がシラシメス、其れを囲む国民が居る。此れが惟神の大道(カムナガラ)。
アングロサクソン他、欧米とは、国家形態そのものが異なる。
然し、昨今の我が國の御皇室すら由々しき事態に陥っている。秋篠宮の皇女御二方が、何ゆえ国際基督教大學(学習院を否定)に在籍致すのか…。此れは学問の自由とは別問題だ。長女眞子内親王が米国を生活基盤と為すのも解せぬ。
戦後、御皇室の民主化が叫ばれ憂國の武人・三島由紀夫が、行く末を憂いていた。バイキングの子孫・英国王室を手本と仰ぐ小泉信三を強烈に批判した。御皇室の危機だと。

貴書は、第一章より八章までを『國の防人』に掲載された論文を載せた。其れは有り難い事で、未知の雑誌(作品)との出会いは、知識の幅を拡げる手助けと為る。第九章に、反米保守の西部邁を悼む文章を載せた。推薦者には、小堀桂一郎氏が寄せる。
福田恆存・江藤淳・堀茂等ら真正保守の論客は、日米同盟の絶対盲信を拒否する。始めに米国依存アリキ。其れ為る従属は、反独立国家主義であり〈無脊椎〉。民族の自立が消滅する危険を招く。
著者・堀茂曰く「本書は売れないだろう」と。此れは尋常に非ず。こうした書籍が魅了される社会こそが民族に黎明をもたらす。拝きみちか視(孝明天皇毒殺の疑惑アリ)には、排除の理論で成り立ってをる。
徳川方に与する藩や人物を斬殺する。此の行為を実践した西郷隆盛・坂本龍馬の蛮行を語る學者も居る。余談になるがだ、亀山社中なる貿易会社は、武器商人グラバー(英国人)の手引きに因り、坂本龍馬が率先して行って居た。
薩長討幕派が「善」であって、会津・長岡佐幕派「悪」なる面妖な線引きは、歴史を歪めるだけである。
筆者も述べているが、幕人勝海舟(安房)何ぞは、幕府に人物無し。早急に「天皇親政」と慶喜蟄居−大政奉還を挑む。
御一新後、自らの有り様を書物に著した。其れが『氷川清話』−今も読まれているがだ、自画自賛と創作を織り混ぜて居る。会津落城を〈会賊〉と事実を否定、無情はなはだしい…津田氏は、勝海舟の素行を諫めている。
西郷隆盛なる人物には、「明治時代の彼の背後に封建勢力としての薩摩がある」(津田)。昔ながらの西郷が息づいている。
其れは、生涯変わらぬ封建領主・島津久光の影の投射でもある。刎頚の友・大久保利通の変容。近代合理主義なる西洋化を嫌う血潮の疼きでもある。
津田左右吉(日本思想史家)の名著に接し、〈歴史の一面〉を鵜呑みに致す毒矢。此れを抜き取る努力は必要不可欠と知ったしだい。拝きみちか




11-3
【新刊紹介】
『明治維新の研究』津田左右吉著、毎日ワンズ・本体1400円。
貴書の腰巻き(帯)に「明治維新とは、一口に言うと、薩長の輩が仕掛けた巧妙な罠」為る文面がある。同様な視点から〈明治御一新〉を評するのは、原田伊織・鈴木荘一等−毎日ワンズ刊にて読める。
其の独善と偏見〈穿った歴史観〉は今日に及ぶ。一例は靖國神社で、佐久間象山・横井小楠・近藤勇や乃木希典−佐幕派会津藩らは蚊帳の外だ。
反徳川幕府を基軸と為す薩摩と長州にとって、岩倉具視(下級公家)を毛嫌いするミカド孝明天皇は、真摯な勤皇家である松平容保を頼りにしていたし、徳川宗家の慶喜公を徹底排除する気持ちは無かった。
禁門の変の如く、御所に大筒を放つ−こうした蛮行は、テロルであって「扇動者たる志士や浪士(一部の宮廷人)等悪辣な運動」(津田)。実践そのものが、悠久の大義の対極に位置する。
「今日から見れば、政治上の重大なる責任を皇室に帰したことになる」(津田)。つまり今上天皇の威光ですら薩摩・長州そして悪人岩倉具




10-29
【新刊紹介】
『ボルネオから琉球へ』有馬光正著、元就出版社・本体1300円。
ボルネオの話しをすると、此の國の有り様を理解出来かねる人が居る。
一言で申せば、其れは南シナ海・赤道のほぼ中央、熱帯雨林地域(インドネシア・マレーシア・ブルネイ)属す。地政學上極めて重要な位置にあり、支那が虎視眈々と領有権を主張する領域だと云うこと。
日本國としては、〈自由で開かれたインド太平洋〉の存在が増す。支那の恫喝には、毅然とした態度にて挑むべきなのである。
有馬氏の言葉を拝聴致せば、「−関東沖迄回流する黒潮文化圏に属し、小笠原諸島・大東島・尖閣諸島を開拓した人々、先人の努力のお陰」今日の日本がある−感慨無量だ。にも関わらず、偉大なる義人を語る教科書は無い。
明治期の日本から海外に活路を見出だし、祖國に貢献した人物は多々いたね。
依岡省三(サマラハンには依岡神社がある)、玉置半右衛門、古賀辰知四郎や沖縄糸満の人達の生涯が、真摯に述べられて居るから喜ばしい。
第四章にてサワラク王国(英國人に依る統治下)、米作の技術を広めた依岡。小笠原開拓に着手した玉置を第五章で。他章にてローマカトリック教会やアヘン戦争、日清戦争等−歴史への慧眼に花開く。第十一章、尖閣諸島にて海運業を営む古賀辰四郎の活躍時、明治二十九年・尖閣諸島の領土編入が成された。大正八年には、尖閣に漂流した支那人(三十一人)を救出。翌年、中國長崎領事より石垣村長に感謝状が贈られた。
此の真実は重味がある。
「サンフランシスコ条約」締結後、我が國の領土とした認知された。此のような歴史検証を踏まえ、日本國政府は正論を示し外交を致すべきだが、ふらつく腰は定まらぬ。
世界に飛躍する日本人−姿見を垣間見るのは、血潮を湧かす有り難き美談でもある。
個性的出版は、日本人の美的感性を依り豊かにしてくれる。拝きみちか




10-25
【良書紹介】
『旧約聖書悪人列伝』白石良著、元就出版社・本体1360円。
新約聖書アリせば、其の根源に旧約聖書アリ。ヘブライ人(現イスラエル)の一神教(ヤハ ウェ)選民・戒律・予言者の言葉の教典である。
此の旧約を紐解くと、此処から浮揚するのが〈真相〉を偽る虚構(悪人)を語る意図だと云うことだ。
第一章「蛇」・創世記三章から第十二章マカバイ記「ヘロデ大王」迄、撰び抜かれし言霊の響きの有り様は、真摯に読者に伝承致すのである。
其の証しは宗教画にも現れて居る。聖書・神話を糧とした絵画(一例・ミケランジェロ、ドラクロワ)が誕生した。ナポレオンの宮廷画家や光の耽美をモチーフとした印象派の存在等は、後の世である。
貴書では、そうした絵画を採り入れ、旧約世界−律法主義の姿見を語って居る。
名君ソロモン王没後(922年)・イスラエル王国は、北と南に分裂する。
北はヤロブァーム一世が統治致すが評判がすこぶる悪い。其れは、「十戒」に於いて〈偶像崇拝〉を否定されて居る。然し、ヤロバーム王は「黄金の子羊」を製作、結果神の怒りを被ったと…。「積極的に偶像崇拝とは考えられぬ」(白石)−疑問符を投げる。
金の小羊とは、「像」にあらずして「神の足台」だと、筆者は解釈する。
有名な「バベルの塔を造った人々」・三章を熟読しても解する、旧約聖書で述べられている言葉への疑問−深く潜航する〈真実の叫び〉−悪人に非ず、文明を創った人々だ。此の摘発は、聖書への新たなる発見に繋がるのである。
第十章「ネブカドネツァル王」では、〈バビロン捕因〉を取り上げて居る。「世界史教科書」が記載する−此の王がユダ王国を滅ぼし住民を強制移住−の嘘。実像はイスラエルの民を優遇した。白石良氏は推考する。
第十三章に於いて、年表を載せてをる。
本書は『聖母の騎士』誌・騎士社に加筆修正したのである。
『旧約・新約聖書』字面の言葉を鵜呑みにする事なく、〈歴史慧眼〉にはすべからく、多面的検証が大切だと云うこと。
白石良氏は、知らしめてくれた…。拝きみちか




10-1
【新刊紹介】
『亡国の歴史教科書』井上寛康著、展転社・本体1700円。
〈亡國〉とは、消滅した民族意識と失われし大和血脈の事である。
−祖国は瓦解し、無機質な人間損失と独自の伝統・文化が消え失せた〈国家なきアナーアキィ−〉状況を指す。
此を筆者・井上寛康(保守運動家)は、「没・民族の気概」喪失と呼ぶ。
現在置かれている日本国の立ち位置は、歪められた歴史「観」−子供達が学ぶ日本憎悪(自虐)を推進する管理下(文部科学省)ー悪魔の囁き(左傾された教科書検定制度)−が災いする。
「日本に誇りを持ち、この良い国を築き遺してくれた先人に見倣って、後の世代にも良き日本を遺して行こうという気概を持たせる」(井上)。為に、使命感溢れる教科書調査官が不可欠。然し、故村尾次郎氏の如く憂國の闘いを念頭に、検定を薦めた日本人は、過去形に成ってしまった。
愛国を極限迄高める支那・ロシア(民族至上主義の高揚)は、独善的エゴイズムだが、ユアラップやアジア諸国に於いても、母国の歴史は、民族の誇り。此の伝承に溢れて居る。
其れが、青少年に祖国のロマンを与える「歴史教科書」(公民も含め)の真摯な使命だと云える。
井上氏が指摘致すのは、東京書籍を始め〈歴史〉教科書(自由社・育鵬社除外)の多くは、古事記及び日本書紀に観られる「神話」・神武天皇等を無視、日清・日露や大東亜戰争他、すべからく〈大日本帝國の侵略〉と呼ぶ。
日韓併合、満州國をも我が国の無謀と記載。全て、負の要因は日本だけにあると。
感性豊かな若人に、憎悪を植え付ける教科書の視点。一種の洗脳だね。此を容認する役人には、「教科書検定」を行う資格そのものが無い。
本書は、古代から近代迄の東京書籍版を中心軸に分析した。実証検分は、読者(特に中学生)に〈日本の黎明〉をもたらす。「東京書籍はゴミ箱へ」(井上)。
文科・教育関係者の入れ換え、教育委員会の改革一新。井上寛康氏の卓論は、今日の教科書検定を反故にすべしだと云うことだ。拝きみちか




9-28
【新刊紹介】
『マオイズム革命』程映虹著、集広舎・本体4500円。本書は、歴史学教授に依る大著(五百頁)である。
「マオイズム」とは、マルクスやスターリン同類な主義であって、其のドグマは個人の教条と独善に依る狂喜の媚薬だと云える。
毛沢東が絶讚した〈国際共産主義運動〉は、「家族・地域共同体・経済や教育他」(程)すべからく伝統・文化などの独自価値基準の破壊。人民民主主義(社会的不平等の根絶)なる大義は、つまり個々の人間に与えられた〈自由〉との訣別。此を「造反有理」(謀叛には道理がある)と整然と勝手に解釈する。此は武士道の道理とは捌である。
1966〜77年に吹き荒れた「文化大革命」−紅衛兵なる若者達は、恩師・家族・地主や著名学者−一方的に反革命分子と名指し。此は、思想改造なるマオイズムでもある。
殺害や強制労働(死者200万人以上)。然し、其の実態は、習近平主席の〈真相封じ〉に依って、今日に於いても調査研究・公開が禁止されて居る…。
こうした実態が存在する。にも関わらず、ボーヴォワール、エドガースノー、宇都宮徳馬の如く、毛沢東の中国を「聖地巡礼」なる美談と解する。「見当違いの理想主義」−穿った意識の深層に棲む真実に慧眼しないのは、反右派闘争が、東洋の黎明〈麗しき楽園〉に見えるのかも知れぬ。あたかも北朝鮮を地上の楽園と思い込んだ人間の如く…。
わたしは、『毛沢東語録』『実践論・矛盾論』を学生時代読破したがだ、批判すれども共感など論外であったね。
ベトナム、インドネシアやラオス共産党等の整風・思想改造。カンボジアのクメール・ルージュ(ポルポト政権・契約農奴制)の人民粛清と大量虐殺(百万人以上)。「世界革命のイデオロギー的高潮」(程)は、しばらく続いた。
二十世紀中国・毛沢東(マオイスト)は、革命の世界輸出−世界革命指導者に成りたい欲望が渦巻いていたんだ。階級、社会差別を利用し、〈社会秩序の混乱〉を挑んでいたから恐ろしい。
キューバ型の生活革命も文革を手本とした。結果、砂糖生産・一千万トントンの頓挫は、政治的覚悟(親中国)の泥舟で終焉した。
余談に為るが、周恩来総理には一人になる自由が無く、末期ガンに歪んだ肉体を引きずり毛沢東の指示に従った。
文革時、訪中したエドガー・スノーに「俺様のやりたいようにやる」(毛沢東)ー此の無法を容認したスノーなんぞ、ジャーナリストの面汚しだ。
「習近平体制になって文革の再発が鮮明になった」(劉・訳者)−一帯一路や医療外交等−支那の暴力体質に、我が国が屈する事なきように、座右の名著として活かして欲しい。拝きみちか




9-23 蓮坊公爾「熟読玩味」
【新刊紹介】

『人種差別と植民地時代に幕を降ろした日本人』野田将晴著、高木書房・本体600円。
筆者は、海外青年協力隊(マレーシア)にて武道を教えた。後「勇志国際高校」校長を務めた柔道六段の憂國の武士。
今日亜細亜諸国を含め親日国家は多い。其れは当然で、アジア独立為る白人(オラン・プテ)に依る〈植民地支配〉からの解放−日本が率先して協力した。
此の実証を、野田氏は現地の親友・ラティフ(インド系マレーシア人)依り「日本の大東亜戦争は、欧米相手にアジア独立、我々に代わって戦ってくれた」。天皇陛下を一番尊敬して居るとの言葉に、頭が下がる。こうした〈歴史談義〉に接し、肝心な日本国首相(特に細川・村山)等。
「日本の亜細亜侵略」なる歪で自虐史観が蔓延。此の現状に鉄拳を加え、日本憎悪からの〈立春の目覚め〉をもたらしてくれた野田将春氏に敬意を評したい。
昭和三十年当時、テレビで「怪傑ハリマオ」・虎なる意味が放映されて居た。
ハリマオ(谷豊)は、英国からのマレーシア独立運動の快男児。行動を共にした豪快トシサン(神本利男・カモト)。そしてマレー作戦の有力参謀、インド独立の母と慕われた藤原岩市少佐(F機関として勇名)の姿見を真摯に映し出し、一気に熟読してしまった…。
他のアジア諸国も、フランス・アメリカ・オランダの植民地。唯一大日本帝國が独立した国家体制を維持。
欧米列強への防波堤としての役割があった。故に〈ジョヨボ伝説〉−北方の黄色い人達が白い悪魔の支配者を追い払う−マレーシアやインドネシアで伝承された。
マレー・インド・他、独立への支援に肩入れした日本人(政府を含め)には、同胞亜細亜の黎明を望む。此処には、私腹を肥やす依り、五族協和を具現する〈希望の星〉−燦然と耀いていたね。
日本軍人等を荒唐無稽の侵略者等の烙印を押す。こうした狂喜の蛮行は、野田将晴氏の明鏡止水の本冊子に触れ、真実に慧眼致すのである。
拝きみちか




8-27
蓮坊公爾「熟読玩味」

「始メニ言葉アリキ」−ナザレのイエスは、放った。言葉とは摩訶不思議なもので、口から迸る寸時、発した人間の性格が出る。
〈善と悪〉人を分けるのも、人間性の機微が露出するのも、すべからく言霊の影響である。
二・二六事件に於いて、青年将校に好意的為る理由(連座)から歌人でもある斎藤瀏予備役少将は、禁固刑・檻のなかにて数年過ごす。
其の状況をまとめたのが『獄中の記』(手元は昭和十六年刊行)である。
事件当日、斎藤少将が首相官邸に駆け付けた。此のとき「寒天の雪の中で歩哨に立っていた兵、私を案内してくれた兵を可哀想に思った」ー此の兵隊への労りとして「御苦労」と声をかけた…そうだ。其れは、軍人斎藤閣下の御心(指揮官時代からの習慣)である。
然しだ、法廷に於いて、反青年将校派軍人裁判官(統制派)は、斎藤少将が労う〈ご苦労様〉為る言語が、〈反乱軍擁護〉ー同志へのはなむけと邪推をしたんだ。
尤も、統制派に与せぬ斎藤少将に対する偏見ややっかみもある。
「支那事変」を知ったのは獄中。斎藤閣下は非常なショックを受けた。何故なら、青年将校達が危惧した事態が起こったからだ。
高度国防体制と統制経済を推進する統制派軍人(武藤章等)・官僚(岸信介等)の計画である。
貴書は、牢獄に入れられし斎藤予備役少将の暗澹たる日常に触れる。
暴食の中に埋没、平穏な「日々之好日」為る泰平天国(アフガニスタンの如く難民になる危険が無い)の現世に生きる日本人の一人として、私は自分に
厳しく律する生活を送る。拝きみちか




8-24
【新刊紹介】
『ど真ん中を歩けば引きこもりは消える』佐藤康則著、高木書房・本体909円。

佐藤康則氏(1974年生)は、事務機器販売会社社長・カウンセラーとして〈自己実現〉への助言を上程。
日本では「引きこもり」人口が百十万人を越えた。其の原因は「親子の間に〈十分で適切な愛〉が注がれていない」事が問題と指摘。子供自身依りも、むしろ御両親との家庭生活を把握、先ずは「両親からカウンセラーを実施」するそうだ。
一般常識の範疇にて考察致せば〈子供本人へのアプローチ〉を実施する輩が多い。氏曰く「其れは物事の本質を見誤る」と。不登校児童(平成十年・12万)、令和元年では18万人に達した。
「時代の変貌と仮説」章−インターネットを事例に取り上げ「ITによる物理的繋がりが、心の繋がりへ、マイナス影響を与えたかも」。
佐藤氏曰く、子供同士のお遊びが、機械言語なる一人世界〈みんなバラバラ〉に変貌させた。叉心のゆとり無き生活が人間を変えた。最後に、明るい未来への展望が開けなくなった点も危惧する要因だ。
此の「暗雲」はバブル後−日本の良き風習が消え−すべからく売上至上主義社会を到来させた。家族愛を企業活動に活かす出光佐三の経営真髄が、過去形に為ってしまった。三菱電機に観るデーター改竄等、企業倫理の欠落は異状である。
日本独自の叙情的宗教観(没教条的1神教)は、四季を体感する自然崇拝に結び付く−神道然りだ。
「宗教があるようでないような日本」(佐藤)。此の〈和の日常〉の大切さ、「武士道精神」と「天皇への恋闕」為る独自性をも語って居る。
「暗雲」を排し、〈美しき血液〉−善き大和人の姿−に戻るべきだと。日本人としての祖国愛への覚醒である…。
「これからの教育」章では、読書に依る情操と自我の発芽(自分で考える)重要性を伝えて居る。
近代合理主義為る欧米思想よりも日本らしさの大切さー大和心ーを奨励してをる。「令和」に生きるとは、日本主義への回帰(耀くジバング)を求めるべぎ。
佐藤康則氏の明鏡止水「ヤマトタケルの魂」は、日本人の血潮に根太く絡み付く心の糧と成す。拝きみちか




8-24
【新刊紹介】
『龍の夢』剛衛著、集広舎・本体1400円。

今、渋澤栄一がブームとなって居る。紙幣の顔として取り上げられた事が、其の結果をもたらした。
然し、本来優れた傑物と云えども波に乗る(流行)等は、邪道だと思う。
祖国に貢献(多くの企業設立に関与)、晩年は社会事業・教育に尽力を注ぐ。摩訶不思議なのは、渋澤の遺訓「論語と算盤」の〈ソロバン〉為る財界人の顔のみが強調され、経綸を説く〈論語〉が世相を反映して抜け落ちているからやるせない。
〈日本を具現〉した偉人を知るには、本書の如き刊行物の存在は有り難い。此れが画竜点睛・佐野庄太郎(台湾で奮闘した龍の人)である。
明治から昭和にかけ、台湾や満州へ見果てぬ夢と希望を抱き、渡った日本人は多い。良い意味での野望が達成、日本人として錦を飾った佐野庄太郎も其の一人である。
児玉源太郎の台湾統治時代は、勝れた行政が開花、此の行き届きが今日に続く〈親日台湾〉の基礎を築いたー戦後派の日本人は、忘却してはいけないね。
「濃を育ててくれたのは台湾(生まれは静岡)。台湾・北投は第二の故郷−北投の街を豊かにすることが濃の台湾への恩返し。此処で骨を埋めたい」。此の情念が有ったればこそ、景観の地を開墾して道路を造ったのである。
私設道路を有効使用・自然を活かし、御不動様を祀り、日本庭園を持つ「星乃湯」ー純和風旅館も開業した。
文中、長女八重子の子育てを語る。息子庄三郎は
台湾、源太郎・大阪で働く。
庄太郎は、欧米ブロック経済への対抗として、亜細亜重視の「大東亜共栄圏」が必要不可欠と感じた…。此の意識は、第二の祖国である台湾への想いが為す業でもある。又愛国者である庄太郎は、軍部の保養地として温泉を提供した。こうした姿勢は、軍部におもねり私腹を肥やす俗物の対極にある。
ー大日本帝國は戰に敗れた。裸一貫で、庄太郎は台湾を去る決意を固めた。
全ての夢想は伽藍に、無欲の木霊として響いた。
龍は天空に聖天し消えた。虚空を漂う庄太郎の肉体には。無言の寂寞が被さって来た。悠久の大義を歩んだ生涯(七十二歳)であった。拝きみちか




8-18
【新刊紹介】
『偏向・平和祈念館の建設阻止』土屋たかゆき・但馬オサム著、展転社・本体1300円。
「東京大空襲」とは、昭和24年3月10日−夜間、下町地区を中心に全都40%・40平方キロ焦土−米軍B29爆撃機(344機)に依るM69ナパーム焼夷弾なる狂気の虐殺の事。
日本の家屋は木材と紙で成り立つ。故に、壮絶な悲劇が発生致すは実験済みだ。指揮官ルメイ大佐(後大将)には、大虐殺の意識は皆無、日本人を家畜の如く観ていた。
斯様な冷血人間にも関わらずだ、昭和39年「勲一等旭日大授章」(航空自衛隊育成)への貢献に対し与えた。
当時から日本政治家は、善悪の判断出来ぬ異常体質に蝕まれ居た。
〈私の慈母〉は、当時・向島区(下町)で生活を営んで居た…。此の地獄絵に遭遇「友人も泣き叫びながら隅田川に飛び込み死んでいったんだ」・死者十万人−怒りを込め此の無差別殺人を慟哭していた。
本来の主旨は、歴史的真実を後世に伝承すべき施設。然し、憂國の土屋都議の研究結果は「軍事都市東京」故の〈空襲容認〉ー自虐展示の計画(亜細亜侵略・加害者)であり、異常性を見破る。其れは、私の慈母同様に「東京大空襲」経験者・海老名香葉子(林家三平師匠夫人)−犠牲者への鎮魂と慰霊−が本筋。「軍事都市・東京」は、非常識な捏造だと云うこと。
土屋たかゆき都議の真摯な検証が無ければだ、此の無謀行為が建設委員会「密室奇談」反日左翼の自虐賛美に依る承諾が成されたのである。
展示内容などは、基本である東京大空襲の実態展示が全体の七分の一、殆んどが帝国日本の好戦体質を炙り出し、日本憎悪に導く。未来永劫に渡り、青少年に悪日本を語り継ぐ蛮行だ。
此のような祖国に泥まみれの自虐史観−平和の騎士を気取る左翼団体・自民党の一部も含む為に黙する訳にいかぬ。
「客観的事実を提供するなら、我が国が戦争に追い込まれた事実も展示すべし」(土屋)。此れが中立で在るべき行政の有り様だ。
「偏向展示推進派」と「土屋氏の反論」を載せ、真相解明は有り難い。
第五章「全国の偏向平和記念館」の実態を知るに及び、日本の政治家の無能−無駄飯食いと偏向のツブテに内憂外患である。
「本書を東京大空襲犠牲者の御霊に捧げます」・土屋敬之。拝きみちか




8/17
【新刊紹介】
『ウイグル・香港を殺すもの』福島香織著、ワニブックス・本体900円。

著名な中国ウォッチャー、福島女史に依る支那・習近平の狂気ジェノサイド(民族虐殺)の実態−鋭敏な筆さばきで、凶暴チャイナリスクを暴露したのが本書である。
「中国共産党のいう〈愛国〉など、〈家畜〉や〈奴隷〉になれと命じているのと同じです」(福島)。当を得た指摘に、親中派財界人・政治家(二階俊雄)等は怒りを露にするかも知れぬ。然し、此れは真っ当なる正論だ。
チベット動乱(1959)以後チベット人・チベット自治区百万人以上が殺害された。ウイグル人弾圧・新疆ウイグル自治区では、ジェノサイド乱気流が吹き荒れ、此の荒波は香港の一国二制度を崩壊させてしまった。
ナチス・ヒットラーのユダヤ民族虐殺を語る日本人は、多々居る。為れど、現在進行形の〈習近平の悪夢〉に警告を発する我が国の政治家(メディアを含め)は一握りだ。
「日本で平和に暮らすウイグル人に対しても中国共産党の弾圧が行われている」−福島香織。
日本人には見えない魔の手を糾弾する日本政府は、無存在だ。
摩訶不思議なのは、常日頃〈言論の自由〉を高飛車に叫ぶ、日本ペンクラブや日弁連など愚昧な団体はだ、支那の横暴に黙りである。
支那では、「宗教の自由化」為る建て前がある。あくまで中国共産党が公認した宗教であって、現実は〈邪教〉の烙印を押され排除の対象となる。
近年最悪の独裁者・習近平が死去する結果、変わる可能性は有る−かもしれぬ。
自由アジア都市・香港が消え、チベットやウイグル人が強権弾圧されて居る今、「世に出る声は、中国共産党が統制した一色だけ」(福島)。
然し、福島女史は〈ペンの力〉を信じ活動している。ジェノサイドへの抵抗運動が激震となり、これ等の祖国が解放される事を−貴




8/13
【新刊紹介】
『季刊文科』85号、鳥影社・本体1500円。
特集は「さまざまな〈八月十五日〉」−あの戰争をどう捉えるか−。を自問する時、敗戰から七十五年が過ぎ去った結果、「アメリカと戰争をした」。此の事実を理解出来ぬ大學生が存在する事を知り、あまりの無知に怒りすら船底に沈んでしまった。
「日本人もまた、あの戰争の敗北の屈辱を忘れ」(富岡)、敗戰の辱しめと致す折口信夫を述べるのは、有り難い。
〈敗戰の屈辱〉に苛まれた高村光太郎(優れた『大東亜戰争と高村光太郎』岡田年正著)を刊行した知人・岡田氏も誌面に登場して欲しい御一人だね。
本誌に載せていないが、伊藤圭一『蛍の河』・石川淳『焼跡のイエス』・幼年學校生の終戰への苦悩を描いた『帰らざる夏』や徳川無声『戰争日記』も著名。従軍記者として聖戰を信じた林芙美子『戰線』も選れたドキュメント。
尤も、掲載すべき作品の多様性に編集室も悩む処であろう…。
私なりに言わせてもらえるならばだ、戦後派中沢けい女史の凡作には違和感を覚えた。折角なら、戰中派の津村節子女史(敗戰後を描いた傑作アリ)を撰述して欲しかった。
知人・山内由紀人氏「三島由紀夫と高橋たか子」の洞察は感銘を受けた。流石に優れた三島論を世に問う山内氏ならではの触覚の鋭さが伺われた。
三浦哲郎・神吉拓郎は上作が多く、愛すべく読者が居る。
毎回、数篇の創作が楽しみである。
本年第一に推薦する『そして、ニューヨーク』為る力作を書いた鈴木ふさ子女史の独自、三島由紀夫考察(唱歌と童謡)も素晴らしい。〈文學忌・今昔〉〈學界への窓〉−「同人雑誌季評」を読み、魅了雑誌を購読−書評を送るのも、此れまた爽快である。
*山内由紀人氏に宜しく御伝え下さい。拝きみちか




8-10
【新刊紹介】
『特攻回天「遺書」の謎を追う』大森貴弘著、展転社・本体1500円。
日本戰没學生の手記をまとめた『きけ・わだつみのこえ』は、〈反軍〉なる意図に基づき編集(岩波)されて居る。作為なる作品に仕上げている。
東京大空襲は、帝國日本の〈軍事都市〉故の報いの結果−これ等の疑念は、史実を歪曲・真実を封印する狂気だと云うことだ。
「創作遺書という〈ウソ〉を信じてしまう人を一人でも減らしたいと強く願う」筆者大森貴弘(産経社会部記者)の慧眼が〈真相解明〉への磁場に引き寄せられたのである。
事の発端は、「回天顕彰会」(中山義文氏・最後の海兵卒業生)の紹介してくれた山本英輔(同志)が、「十八歳の回天特攻隊員の遺書」手紙文面の偽り。つまり〈戰後に創作された〉偽作が、あたかも真実の如くインターネットで拡散して居るー由々しき事態への義憤−解明だと云うことだ。然し、偽作者は「O」とした。大森記者は、実名公表をせぬ。明らかに致すことが、〈回天搭乗員〉への真義なのだが…。
ちなみに「回天」とは、「天を回らし戰局を挽回させる」為る崇高な理念に依る。にも関わらずだよ、山口周南市観光協会では「回天グッズ」を販売。死者(英霊)を冒涜する蛮行の極みだ。
吉田清治「従軍慰安婦」・本田勝一「南京大虐殺」等−解明された〈虚偽の自供〉等も、ウソも独り歩きすればだ、実話と為され認知(マスメディアの賛同もあった)。
何と保守派団体「日本会議」ですら〇の偽作遺書を容認「元ネタ」としてDVDを販売したからやるせないね。
大森記者は、〇なる人物は回天初陣に参加していない事を突き止めた。「〇のしたことは、僕は絶対にゆるさない」(山本)ー虚偽を容認庇護する「周南観光協会」−の対応も批判して居る。
回天搭乗員を祀る「大津島回天神社」も掲示してをる。
戰後七十五年の忘却は、風化というまやかしを容認しては、いけない。其れが、祖國の御為に尽くした御霊への鎮魂である。
「あの若々しく散った純粋さ、そして祖國愛に、私はただ打たれ、心底申し訳ないと思いを深くしている」・野村秋介「特攻への追悼」。拝きみちか




7/28
【新刊紹介】
『天皇制と日本史』矢吹晋著、集広舎・本体5800円。

貴書は、賢哲・朝河貫一史學(670頁)を世に広めた意義が大きい…。何故なら〈朝河史観〉を知るべき日本人が少数派だと云うこと。
私自身本書を手にする迄、朝河の〈歴史研究〉論文に接する術は無かった。
無視された朝河博士を浮揚させた矢吹氏(朝河顕彰協会代表理事)の功績は雄大である。何故、朝河史學が埋もれ黙殺されたのか。
此の点を分析する筆者は、「英文で書かれ内容も一般的に非ず」と。新渡戸稲造や岡倉天心の英語本(後日本語訳)が広く読まれた現実と比較、ライシャワー在日大使が氏の「日本封建論」を称賛したが、「朝河の禁欲主義」(矢吹)が災い、アカデミズムの範疇にて自問致すのみであった。
朝河が名門・イェール大學で博士号を取得。一方、著名な津田左右吉には著作が膨大。にも関わらず、−およそ論文の体制をなしていない−。矢吹の津田氏への目線はかなり手厳しい。
冒頭、「朝河貫一語録」を載せ、日本の小作人と欧州の農奴との相違点等、簡潔な文体で読みやすい。
〈日本の発見〉として「大化改新」・津田左右吉論と比較。日本独自の封建制度、頼朝以降中世武家社会や日露戦争他、真摯に歴史の推移を語る。
序説に於いて「天皇制」を先ず取り上げる。諸外国のキング・君主制とミカド(天皇)の〈受動的主権という伝統的慣習〉・朝河を検証致す。
朝河『明治小史』の後−「沖縄」の問題点、田中角栄の日中国交正常化。支那政府の反日姿勢や安部政権に対する矢吹の私見を掲示する。
古代から現代への道標を観る事に依り、日本国の立ち位置を垣間見ることが出来る。
「注釈・初出一覧」「人名索引」も参考と為す。此の雄篇を十分解するには、数回の熟読を要する。
朝河貫一史學を精読する矢吹晋氏の熱意には、感慨無量だと云える。拝きみち




7/8
【新刊紹介】
『コロナ自粛の大罪』鳥集徹著、宝島社・本体900円。
貴書は、鳥集徹(医療ジャーナリスト)−大家・和田秀樹(精神科医)等、現場重視の7人専門医師に依る〈大罪〉−マスメディア、政治家、医師会の無責任な〈コロナ恐怖〉への誘導や思い込みへの罪と罰を摘発した国民必読本だと云うこと。
「過敏な自粛は心と体を蝕む」(和田)他は警告する。当然だね。外出を控えた結果、体力の衰えや鬱病、アルコール依存症の増加を招いた
。肥満・高齢者の病死や若者も含めた自殺の増加(年間20900人)。完全失業率の上昇、GDPのマイナス四・九%。あらゆる業種の危機的状況が現実化してきた。コロナへの自粛を語るがだ、日本国家の行く末を案じ対策を掲示する政治家すら皆無。此れはコロナの副作用で長期視野で考察する処置も無い。
「ゼロコロナ」は幻想である。インフルエンザや結核なども増減を繰り返している。コロナ然り絶えることはない。為らば、自ら免疫力を高め、抗体を体内で増やす努力をする。
「日光にあたる時間が短くなると血中ビタミン濃度が低下、コロナが重症化しやすくなる」(鳥集)。怖れおののく生活は〈負の要因〉であって人生そのものを狂わす。此れはコロナ以上に危険な兆候で、青少年に与える影響はコロナを凌ぐ。
高齢者のコロナ死は他の病よりも少ない。引きこもり生活は、日光を浴びる時間の減少によりセロトニン(神経伝達物質)が減り、肉体の悪化を招く。何故か、医師会やメディア、政治家は〈真相封じ〉致す。
コロナの致死率は1・6パーセントで平均年齢79歳(余病を抱える高齢者が多い)−和田秀樹。叉「本人の内側の軸」(自分の免疫力・抵抗力・解毒)高めるべきだ−本間真二郎(小児科医)。
遺伝子ワクチン接種に関してのデータ不足と薬害の未知数。危険度が高いと警告を発して居る。当然ながら、私は「ワクチン接種」を無視する。
新型コロナウイルスと向き合い、自分の健康管理を我の手に委ね、闘う努力に専念すべきだ。拝きみちか



6/21
【新刊紹介】
『正伝・出光佐三』奥本康大著、展転社・本体1600円。
出光佐三〈愛國経営者〉の真髄には、日本民族への覚醒された思いがある。
欧米石油カルテル・グローバリズムの世界戦略を否定、我が国の国益に添った唯一の民族系石油事業の信義には、昨今の利益至上主義と親中国企業を擁護する亡國経団連の対極にある。
松下幸之助や本田宗一郎等−「国に貢献する」(人間尊重・大家族主義・祖國愛)に立脚した「士魂商才」(今や死語)経営者の御一人が出光佐三だと云うこと。
敗戦後、500億円もの負債を抱えつつ社員を一人も解雇しない。昨今のリストラブームの対極に位置する憂國の巨星だと呼べる。
〈海賊〉とは、ペルシャ湾海域にて船舶を攻撃するテロリストの事。出光氏は、イランとの石油取引で歓迎(ジャポンイデミツ)友好を深めた。海賊呼ばわりは、痛恨の極み。誤解を招く言葉は佐三氏に甚だ失礼だ。
本書は、第一章真骨頂・生い立ち ・教育の心構え・時代背景−天皇への恋闕。多彩な内容にて第十八章に迄及ぶ。
此の出光佐三(奥本氏は出光興産OB)の偉業を心の糧と致し日々精進されたいものである。昭和五十六年3月7日、九十五歳の武士(もののふ)の生涯…。
死去に、昭和天皇陛下は「國のため/ひとよつらぬき/尽くしたる/きみまた去りぬ/さびしと思ふ」ーお詠みに為られた。
「日本の偉大な事業家、出光佐三の理念や国家観を受け継ぐ経営者の出現を望んで止まない」(奥本康大)。つまり、今や望むべきなもない悲惨状況だと云える。
追伸−康大氏の御父上・實中尉(当時)は、インドネシア・スマトラ島〈パレンバン奇襲作戦〉石油基地占領の勇者であり、敬意を評したい。
奥本實共著『空の神兵と呼ばれた男たち』ハート出版を推薦します。拝きみちか



6/4
【新刊紹介】
『世界制覇の大きな真実』副島隆彦著、PHP研究所・本体1630円

フランクフルトで金融業を始めたマイヤー・アムシェル・ロスチャイルド(創業者・17世紀)は二十歳であった。
宮廷ユダヤのロスチャイルドは、ユアラップの王家や大公(一例プロイセン王国)に戦争の為の軍資金を貸す〈借用書作成〉。返済免除と引き換えに国税取り立てを請け負う。「民衆からの過酷な税の取立て」(副島)。此処に宮廷ユダヤ人の権力介入が始まった。つまり、「国債発行」「中央銀行設立」(渋沢栄一も教えを受けた一人)−近代資本主義の原型は、封建領主との結託に依るロスチャイルド家が牛耳る…。
日本の皇室が鑑と仰ぐ英国王室は、代々ロスチャイルド家との繋がりが深い。王家と云えども、血統をたどればだバイキングに行き着く。血塗れた王室、我が国の手本に非ず。
余談に為るが、戦後・皇室民主化を率先して行ったのは小泉信三だ。常々三島由紀夫は「小泉が皇室を駄目にした」ー憎悪してをった。
ユダヤ資本の歴史は、230年(34代)にも及ぶ…。今日、米国ロックフェラー財団には及ばぬものの、〈覇権〉の毒は、欧州を飲み込んで居る。
日本人が信じて止まぬ「ノーベル賞」、ノーベル兄弟とロスチャイルドとは親密な関係にある。此の点も語って居る。
十八世紀には、ロンドン・フランクフルト・パリ・ウィーン・ナポリの五拠点に、兄弟に拠るネットワークを築き、専用スタッフを置く。大英帝国を中心軸に〈金融世界戦略〉の野望に燃えた。
ユダヤ人が嫌われるのは、貪欲な金銭感覚『ベニスの商人』・シェイクスピアの名作−が災いしている。
此のロスチャイルド家・32代の〈家系図〉詳細を冒頭に載せ、理解が深まる。然し、やがてロスとロック等が衰退し、中国の〈世界覇権〉が現実味を帯びて来た。
警告を発するがだ、政界・財界共に危機意識が欠落致すのが、日本国である。拝きみちか



5/25
【新刊紹介】
『季刊文科』84・春季号、鳥影社・本体1500円

「季刊文科」の〈書評〉は、既に発表した。然し、「三島由紀夫」を論じた二点は別枠として今、評する…。
新連載は、鈴木ふさ子「海の詩学−三島由紀夫」である。鈴木には、先に刊行(鳥影社)した『そしてニューヨーク』−洗練された大都会の断片(一例・ティファニ−)風景と人物を抒情的に著した優れ本。貴書を県優良図書に〈推薦〉致すも締切後、残念だ。捌の方法を模索中。
余談はさて置き本題に入る。下田の東急ホテルを訪ねし筆者は、五十年以上前に煌めく星座(海辺)に心奪われた三島の想いを追憶する。
三島には『午後の曳航』なる没日本文學があり、当然ながらフランス映画化された。
登場する竜二は船乗りである。海の男は強靭な日焼けした肉体と鋭利な精神を持ち、限り無く太陽の視線を背に受ける。故に子供達の憧れ−陸に上がって平凡生活を望む竜二の姿には、軟弱な精神とふやけた肉体をさらすだけ。少年は堕落を軽蔑する。もはや、英雄の姿見は消え、残像には黴が付着する。
太陽を浴びるランボーは「絶対の無垢」であって、共通言語が三島とランボーとの価値共有(芸術性)だと鈴木は評する。
〈太陽と溶け合った海〉に魅了されたが、対照的に山に魅せられぬミシマは居る。後日、此の点を分析されたら有り難い。
当連載は、新たなる三島論の黎明であり、今後に期待致す。

次の松本徹(三島研究の権威)「最も厄介な懸念」(連載大倉山から8)の〈厄介で懸念〉とは、川端と三島−師弟関係の崩壊−。其を当然視する瀬戸内寂聴(私の好まぬ人物)は、ノーベル賞を欲する三島の川端への怨恨を指摘する。為れど、世界の顔として川端康成が「受賞候補の筆頭となるのは自然の流れ」・松本が正論だ。
先日「川端康成を囲んで」(30分TV)放談・三島と伊藤整を観たが、和んだ雰囲気にて御三方話してをられ川端授賞に緊迫した様子は皆無。
三島の川端への信頼は、心無い反川端族のやっかみだと云えよう。自決を期す三島にとってら〈老い行く独自の花を咲かす〉・松本、川端を否定する気持ちが幾分有ったかも知れぬ。然し、川端康成を憎悪する程、三島由紀夫の信義と礼節−強固である筈だ。
松本は〈川端ガス自殺〉否定説を語るが、川端が信頼する御手伝いの女性も明確に否定した。
三島由紀夫の謎解きは、「百年後を待て」・林房雄の仰せである。
次回の「大倉山9」を心待ち致す。(敬称略)



5/17
【番組紹介】

民放・NHKを含め、昨今は観るべき作品が少なく為った。故に、BS-CSに加入し番組を観賞して居る。
5月15日は、驚愕致した一日として記憶に留めて居る…。「日本映画チャンネル」に於いて、何と「三島由紀夫vs東大全共闘」ドキュメント二時間放送。後に「川端康成を囲んで」(30分)−ノーベル文学賞・受賞後を、三島由紀夫と伊藤整−お三方に依る川端邸での座談が興味津々。
日本文学が世界に羽ばたく扉が素晴らしく、川端文学の功績を三島・伊藤両氏が讃えて居た。
無言の権威が女性編集者泣かせの川端氏。為れど、当日は打ち解けた雰囲気にて淡々と話す川端康成が印象的。此のとき、必ず三島氏の方を向かれ語るのも師弟関係の為す結果かもしれぬ。
皆黄泉の國に旅立った、偉大な人には作品として〈功績〉が残るが、読書せぬ日本人が増え残念だ。

「三島由紀夫VS東大全共闘」は、角川文庫で知っていた。此の討論を〈没後五十年〉企画として世に問う−感慨無量だね。TBSテレビが、駒場九百番教室での実況、其の実証的リアリズムは圧巻だ。
近代ゴリラ(三島)と東大全共闘との接点は、反教養・没権威主義の一致。三島氏の再来と呼ばれた平野啓一郎(私は否定)や元楯の会・篠原裕や原昭弘。全共闘・木村修他の私見を紹介。
三島作品の掲示や全共闘との接点。時代情況−「天皇論」等、千人の若人に投射されたミシマイズムの無限存在感。
御互いに敵に塩を贈りつつ、共通言語としての日本人。此の言霊の荒魂と和魂の葛藤−常に問題意識たる〈自我の確立と目覚〉の血飛沫。現体制への憤りと苦悩−人生の不可解−当時の我を、思い浮かべてしまった。拝きみちか



5/3
【新刊紹介】蓮坊公爾「熟読玩味」
『全力で守り切ろう!』神野宗介著、高木書房・本体2000円。

神野氏ば税理士・経営管理士( JPA総研代表他)−職業会計士の英明−として日本国の根源を支える「中小企業」の危機防衛、経営指導に邁進してをる。
日本国の職域の防人を担う中小企業は、「労働人口で約70%・4000万人」・神野。然し、政府は、200万社(半分)に淘汰する方針。
単純に赤字八割の企業に見切りをつける行為は、〈モノづくり〉の原点・職人たるプロ技術の空洞をもたらす。中小の下には「零細企業」がある。
東京台東区・大田区や川口市の町工場がそれだ。工作機械五台を家族3人と雇い人とで特殊金型を作り、独自の製品を生み出して居る。
大手企業のブランドを支えて居るのは、これ等職人の心意気が、躍動する細胞の役目を果たす。
政治家には、此れが解らない。一流企業では母国の活力を守る意識が稀薄、中国企業(共産党指導)への売却をすんなり容認。
最近では、パナソニックや楽天の中国依存が一例だ。支那政府の脅威は、日本を飲み込もうとして居る。地政学に則した戦略を駆使、日本弱体化を目論む…。
危機状況下の日本丸に於いて、職業会計人の成すべき事は、ずばり〈赤字〉からの脱却。「職業会計人が手を打っていれば、間違いなく赤字会社は減少」(神野)。
現実は、危機意識が欠落した会計人が多いと。平和ボケや米国依存の保護ボケ。そしてコロナボケに苛まれ、中小企業を守る使命を忘れ、原因を全てコロナのせいにする愚を犯す人々が居る。
日本を支える使命が中小企業であって、其れを心底手助けするのが、会計人−神野氏は語る。
JPA総研グループでは、独自の経営理念(経営参与事務所)が有る。
壱、自利自他の実践(一灯を信ぜよ、佐藤一斎の教え)。弐、当事者意識の徹底。三、不撓不屈の精神。四、生涯勤労学徒足れ。五、おもてなし業に徹する。ー恩師飯塚毅氏を鑑と為す。
苦しむ中小企業の救世主が、神野宗介である。其れがだ、職業会計人の使命(武士道)に行き着く。
*佐藤一斎は、江戸後期の儒者で陽明學に造詣深い。『言志四録』・明徳出版社が参考。拝きみちか



4/21
【良書紹介】
『なぜ彼らは北朝鮮の「チュチェ思想」に従うのか』篠原常一郎×岩田温著、育鵬社・本体1500円。

狂気のイデオロギィ−は、個人の意向・心情の範疇に止まる内は〈思想の自由〉として容認される。然し、其が〈国家の道標〉となり、国家体制を左右し、独善主義が一神教同様に思想戦争に迄行着き、圧政の原動力に成れば危険極まりない。
北朝鮮の金王朝「チュチェ思想」が正に其れだ。にも拘わらず、主体主義(チュチェ)を解明致す本は、少ない。
〈主人は民衆〉−人民優先を語る「金日成・金正日主義」は表向きの顔。実態は「金一族の世俗体制が確立されていく中で絶対化され、独裁を支える思想」(篠原)が、体制維持の羅針盤として、未来永劫へ導く。
主体主義がマルクス主義と異なるのは、プロレタリア革命(科学的社会主義)−資本主義の帰結為る社会主義−を目指すマルキシズムとは異なり、労働者の立ち位置が疎外された事。尤も、ロシアに於いても、革命指導者は一握りの独裁者だと云える。金体制が、レーニンそしてスターリンとの相違は、チュチェ思想が此の体制の存続のみが認められてをる点が重要だ。
−長期政権なる独裁を維持するプーチン・習近平も暴虎馮河かも知れないね。
独裁国家では〈個人の尊厳〉は無視され、日常生活に於いて〈自由尊重〉は論外と為す。
何故か「日本にはチュチェ思想研究会」(塩田)が、コミュニスト同様に生活の自由を謳歌してをる。此処では「キムイルソン主義研究」・雑誌が刊行され−明るい未来が金日成・金正日主義を讃える。此処まで来れば異状体質−讚美だけ。
此の体質に首まで浸かった人種ばアイヌ人権や沖縄基地闘争迄、生活の糧となす。
筆者が述べているがだ、日本の教育界に浸透し、沖縄・北海道独立を目論んで居るそうだ。
日本学術会議・日弁連や共同通信等−嫌日・反日の組織化が進む。一方、無知な政治家の頭には、再選しかなく、我が国を護る気迫すら欠落だ。
本書は、対話型式で読みやすい。叉【参考文献】を載せ感謝したい。拝きみちか



4/10
【新刊紹介】
『真相』田中宏巳著、龍渓書舎・本体1800円。

〈真相〉なる真実は、隠蔽される事無く表面化されてこそ意義が有る。特に、戰争批判為る紙切り型拒絶が真相解明を封じ、自虐に走れば〈真実の核心〉に触れる機会を脱する…。
筆者・田中宏巳(防大名誉教授)は、大東亜戰争(太平洋戰争)南方の生命線・南シナ海がニューギニア。此の地政學の重要地点が、今日支那の南洋侵出のキーワードだと分析する。叉「最大の戰場・ニューギニアを隅に追いやり、太平洋戰争の構造を歪曲」−三年以上の戰いと18万人の犠牲者。精鋭飛行士と新鋭戰闘機(12000機)喪失が、大日本帝國の崩壊をもたらした。
陸軍北進論と対峙する海軍南進論ー資源確保の國策は南シナ海に注ぐ。此れに関しては、第三章「海南島と南シナ海をめぐる作戰計画」が詳しい。
昭和十二年当時「南シナ海は世界の果てに近い扱いで、中國人が活動する舞台ではない」・田中。海南島を中心軸に資源の重要性に慧眼したのは、帝國日本である。
大陸國家から世界制覇を目論む習体制の〈一帯一路〉グローバリズムは、大東亜共栄圏の有り様を研究及び実践する手鏡だと云うこと。此の詳細を戰略家・田中氏は語る。
太平洋のアメリカ覇権海域と日本の南方覇権海域の対立が、ニューギニア地帯であった。ニューブリテン島・ラバウル海軍航空隊は勇猛・精鋭。此の存在がマッカーサー南西司令官(当時)の行動を抑止して居た。一方、対米戰争が我が國の民族的危機であるにも関わらず、アメリカ本土爆撃を念頭に戰略を練る−軍人は皆無だ。つまり妥協点為る和平の落とし所を探る認識の甘さがあった。
田中曰く「陸軍も海軍も作戰構想の不手際」を指摘する。
真珠湾攻撃も然り、太平洋艦隊に打撃を与えた南雲中将(空母機動部隊司令官)は、第二波の石油備蓄基地を空爆せずに引き返した。【注】海軍飛行隊長・淵田美津雄氏も批判(私は淵田の書評「産経」掲載)。叉空母群は他所に停泊−結果として、反日感情の高まりが蔓延した。蒋介石、米英を敵に回す事で戰局は泥沼とかす。
大陸國家の支那が大東亜戰争時の日本帝國を参考に、海洋國家を目指す。此の独善的覇権主義は、日本國の亜細亜連帯(共栄圏)とは別。共産支那の世界制覇の狂喜の野望だと云うことだ。
友好関係の構築など微塵も見せず、強圧・脅迫まがいのエゴが覗く。ギニアでの鉄鉱開発も其の一例。
貴書は、日本國の戰争観を歴史的に検証致すと共に、習近平体制が帝國日本の対南方作戰を参考−警告する。第五章「戰後中國の南方進出政策」にて詳細に掲示して居る。
共産支那の絶えざる野望を、肝に銘じて欲しい−特に親中派の諸君に…。